[JAC307] SPMモータの磁石の配向方向を設計変数としたトポロジー最適化

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概要

SPMモータの磁石の配向方向を設計変数としたトポロジー最適化
SPMモータの設計においては、平均トルクを最大化し、振動抑制を目的としてトルクリップルを最小化したものが良いとされます。磁石形状や配向方向を適切に選択することで平均トルクやトルクリップルの改善が期待できます。一方で、磁石の形状と配向方向を同時に決めることは困難です。
試作コストの削減や工期の短縮のためには、FEAを使用した最適化が有効です。設計変数、寸法範囲を指定するパラメータ最適化ではパラメータの決定に知識と経験が必要となりますが、トポロジー最適化は初期形状に依存しない探索が行えるため、自由度の高い設計案を得ることができます。また、SPMモータではハルバッハ配列のように磁石の配向方向を最適化することで平均トルクが増加することが知られています。
ここでは、ハルバッハ配列と同等のトルクを得たうえで、トルクリップルと磁石体積の最小化を目的関数とし、SPMモータの磁石のトポロジーと配向方向の同時最適化を行った事例を紹介します。

ハルバッハ配列を使用した基準形状

図1 基準形状の磁石の配向方向(ハルバッハ配列)
図1にハルバッハ配列を使用した基準形状を示します。
基準形状における平均トルクは50.3(Nm)、トルクリップル率は0.57、2極分の磁石の断面積は817(mm^2)です。

最適化条件

表1に目的関数、表2に制約条件、図2に設計領域を示します。
本事例では、磁石形状および磁石の配向方向を設計変数とします。

表1 目的関数
表2 制約条件
図2 設計領域

最適化結果

図3に、実行可能解(平均トルクの制約を満たした解)に対して横軸をトルクリップル率、縦軸を2極分の磁石の断面積とした散布図を示します。トルクリップル率が最小のケースを最適解1、2極分の磁石の断面積が最小のケースを最適解2とし、ハルバッハ配列を使用した基準形状の結果と共に図3内に示します。図4に最適解1と最適解2の磁石形状と配向方向、図5に最適解1 、最適解2、ハルバッハ配列を使用した基準形状のトルク波形を示します。
図3より、最適解1のトルクリップル率は0.11であり、基準形状の0.57に対して約1/5に削減できることがわかります。また、最適解2の磁石断面積は624(mm^2)であり、基準形状の817(mm^2)に対して約2割削減できることがわかります。
図5のトルク波形からもトルクリップルが基準形状に比べて大幅に減少していることが確認できます。

図3 実行可能解(磁石面積-トルクリップル率)
図4 最適化形状
図5 トルク波形

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