34 – SPMモータの減磁解析

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アプリケーションノート・モデルデータ

概要

希土類磁石はエネルギー積が大きい特徴を持っていますが、クニック点を越える領域で使用すると不可逆減磁を起こし特性が低下します。モータの場合、回転中に生じる鉄損や銅損により磁石の温度が上昇することで、熱的なストレスにより熱減磁する可能性があります。また、励磁コイルに大きな電流を通電し、磁石に大きな反磁界が印加されることでも減磁する可能性があります。磁石が減磁するとモータの性能を低下させる要因となりますので、減磁が発生するか否か、減磁した場合にどの程度の性能低下が起きるかを事前に予測する必要があります。
磁界解析シミュレーションは、磁石内部に生じる磁界や温度を扱うことができるので、磁石の端部に生じる部分的な減磁状態までを正確に評価することが可能です。
ここでは、コイルへの通電量を変えた磁界解析を行い、各通電量における減磁率分布を求めます。

磁束密度分布

通電量20(A)、ロータ回転角20(deg)における磁束密度分布を図1示します。磁石の右端部分で配向方向と回転磁界の作る磁束の向きが対向に近いため、磁石端部で減磁が発生すると予測できます。

動作点

動作点を確認するために選択した測定位置を図2に、通電量20(A)における各測定位置の動作点を図3に示します。図3より測定位置1 において動作点がもとのB-Hカーブ上に戻っていないため、不可逆減磁が生じていることがわかります。また、横軸を見ることで、各測定位置にかかる反磁界の大きさを確認することができます。

パーミアンス係数分布

無通電静止状態でのパーミアンス係数分布を図4に示します。クニック点の前後で、赤と紫の二色に分けて示します。本解析で使用している磁石のクニック点のパーミアンスは0.699です。図4より、無通電静止状態ではほとんど減磁が発生していないことがわかります。

減磁率分布

無通電静止状態を基準とし、減磁後に無通電状態でロータを電気角1周期分回転させた際の減磁率※分布を図5に示します。通電量を大きくすることで、減磁する範囲が広がり、値も大きくなっていることがわかります。
※減磁率とは、指定した磁化状態を基準に減磁進行したかどうかを示すものです。

誘起電圧波形

減磁前と減磁後において無通電状態でロータを電気角1周期分回転させた際の、U相コイルの誘起電圧波形を図6に示します。通電量20(A)とした場合、減磁によって誘起電圧波形が変化していることがわかります。

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