85 – 等速ジョイントの高周波焼入れ解析

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アプリケーションノート・モデルデータ

概要

等速ジョイントは自動車の駆動系において、ドライブシャフト両端の接続部分等に使用されます。等速ジョイントの外輪内側は内輪側の鋼球やローラと直接接触するため、耐摩耗性の向上を目的として硬度を増す必要があります。一方で、部品としての柔軟性を保つため内部は靭性を残す必要があります。部品の表面のみを硬化させる熱処理方法として高周波焼入れが用いられます。この手法であれば、高周波電源を用いることで表面のみを局所的、急速加熱することができます。また、電気設備なので作業環境がクリーンであり、高効率、かつ、ロットでの焼入れのばらつきも少ないなど多くのメリットがあるため、積極的に導入が進んでいます。等速ジョイントの内側焼入れでは、内側の突起形状に沿って渦電流や磁束が複雑に流れるため予測が容易ではありません。
本事例のような内側焼入れでは加熱コイルの設計の際にスペース上の制約がつきまといます。また、高周波の変動磁場により生じる渦電流は部品の内側表面に偏り、温度上昇に伴い材料特性も大きく変わるため、詳細な現象を扱うためには有限要素法に基づく数値解析で発熱量を予測する必要があります。
ここでは、あるコイル形状を用いた昇温過程の解析を行うことで、目的の温度条件を満たすか否かの評価ができることを示します。

ジュール損失密度分布

外輪に生じるジュール損失密度分布を図1に示します。コイルが作る磁界の時間変化によって外輪に渦電流が発生します。誘導加熱ではこの渦電流が熱源となり加熱されます。また、高周波では表皮効果の影響を強く受けるため、渦電流は外輪の表面付近に分布します。

温度分布

外輪の温度分布を図2に示します。渦電流によって外輪が発熱し、時間が経つにつれて温度が上昇します。2(sec)で外輪内面の大部分がキュリー点である800(℃)に達していますが、温度分布にばらつきがあります。外輪内面を均一に加熱するためには、コイル形状などの改善が必要です。

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