[JAC097] トランスの音圧解析

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概要

電気エネルギーをコントロールするパワーエレクトロニクスが省エネのコア技術の一つとなっており、身の回りの様々な場所で利用されています。その中で電力変換器の代表例であるトランスに対して高効率化に加えて静音化が要求されています。しかし、小型トランスでは磁気飽和を緩和するために磁気回路内にギャップが設けられ、このギャップ付近に大きな電磁力が発生し、コアの振動となり、これが周囲空気を振動させ騒音を生み出します。
高周波トランスでは、高周波電流により発生する磁界が発生します。その際にギャップ付近では電磁力が発生します。この電磁加振力が振動、騒音を引き起こします。振動、騒音は、電磁加振力とトランスの固有モードが共振することでも発生します。この現象を精度良く評価するためには、特に問題となる高周波における電磁力分布と固有モードを正確に把握する必要があります。電磁力分布や固有モードはコアやコイルの形状に依存するため、有限要素法などの解析により求める必要があります。
ここでは、電源周波数6(kHz)でトランスを駆動した場合のコアの電磁力を求め、トランスの固有モードと連成して音圧分布を求める事例についてご説明します。

電磁力分布

駆動時におけるコアの電磁力分布を図1に示します。
図より、ギャップ部においてZ軸方向に大きな力が発生していることがわかります。また、この電磁力は吸引力としてのみ働くため、周波数は電源周波数の2倍である12(kHz)となります。

固有モード

トランスの固有モードを図2に示します。
電磁力の周波数である12(kHz)に比較的近い、低次の固有モードではZ軸方向にあまり変形していないことが分かります。47(kHz)や66(kHz)ではコアのギャップ付近がZ軸方向に変形するモードとなっていることが分かります。

加速度分布

12(kHz)における加速度分布を図3に示します。
図より、47(kHz)や66(kHz)の変形モードが大きく出ていることが分かります。これは、コアのギャップ付近に発生する電磁力と、47(kHz)や66(kHz)の変形モードが同じZ軸方向であるためです。また、ギャップの吸引に伴い、コアの側面の変形も大きくなっていることが分かります。
但し、電磁力の周波数が固有周波数より十分低いために、共振現象は生じていません。

音圧レベル分布

12(kHz)における音圧レベル分布を図4に示します。
電磁力の働くZ軸方向と、コアの変形が大きいX軸方向の音圧が大きくなっていることが分かります。なお、音圧レベルがそれ程大きくないのは、電磁力の周波数12(kHz)と、電磁振動に大きく影響する変形モードの固有振動数が離れているためです。

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