概要
モータは、設計時に設定された許容温度上昇範囲内で性能が得られるようにする必要があります。この範囲で、短時間定格特性と連続定格特性を評価します。連続運転ではモータの温度が上昇しやすく、これはトルクの低下や絶縁劣化、部品の変形といったモータ寿命の低下を引き起こす可能性があります。そのため、運転中の温度上昇を事前に予測し、許容範囲内に収まるように設計することが重要です。
JMAGは磁界と熱の相互作用を考慮し、コイルや磁石温度の上限を加味した効率マップを高速かつ高精度に作成します。設計初期段階において温度上昇を考慮したモータ効率とトルクの評価を行うことで、設計の手戻りを防ぐことができます。
本事例では、∇型のIPMモータを対象に、温度制約を考慮した連続定格条件下の効率マップを作成しました。結果として、モータの動作可能領域は約5,000rpm以下に限定されました。この結果を元に、使用条件に合った適切な冷却方法の検討や損失低減のための磁気回路の検討などを行います。

対象モータ
部品ごとの温度制約
| コイル温度上限 | 140℃ |
| 磁石温度上限 | 100℃ |
図1 対象モータと部品ごとの温度制約
8極48スロットの∇型IPMモータを対象として、温度制約を考慮した連続定格条件下での効率マップを評価しています。
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