157 – ギャップ磁束境界を用いたIPMモータの永久磁石渦電流解析

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アプリケーションノート・モデルデータ

概要

永久磁石式モータに高出力密度化を実現するため、エネルギー積の高い希土類磁石が用いられることが増えてきています。ネオジ系希土類磁石は鉄を多く含有しているために電気伝導率が高く、変動磁場が加わると、渦電流によるジュール損失を生じます。近年の高回転化、IPM構造の採用や弱め界磁制御の普及により、磁石に加わる変動磁場の周波数や変動幅も増加し、それに伴うジュール損失も増加しています。磁石の渦電流を抑える対策としては、積層コアの考え方と同様に磁石を分割することで、見かけの電気伝導率を高めて渦電流を減らす手法がとられています。磁石に生じる渦電流は固定子の電機子反作用が発端となり、ステータコアのスロット形状やロータの形状、コア材料の非線形磁化特性、コイルに通電される電流波形により決まります。
このような磁石渦電流を事前に把握するためには、これら形状や材料特性などを精密に考慮する必要があるので、これらが可能である有限要素法による磁界解析シミュレーションが有効となります。
ここでは、磁石の分割数による磁石中の渦電流損失の変化を、ギャップ磁束境界条件を用いて求めています。これにより、通常の過渡応答解析よりも効率的に短時間で結果を得ることができます。

磁石分割による損失の変化

磁石の渦電流損失を図1に、渦電流損失密度分布を図2に示します。
図1より、2,880(Hz)にて損失が大きくなっていることがわかります。これは、回転数×スロット数で決まるスロット高調波成分の影響によるものです。また、図1、図2より、磁石の分割数を増やすことで渦電流損失が減少していることがわかります。
磁石の分割数を増やすことで分割された個々の磁石に鎖交する磁束が減少します。そのため分割された個々の磁石の渦電流密度が減少し、総量としての渦電流損失が減少します。

磁石中の渦電流密度分布

2,880(Hz)における磁石中の渦電流密度分布を図3に示します。磁石を分割することにより、渦電流が減少していることがわかります。

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