[JAC200] ヒステリシスモデルを用いたIPMモータの鉄損解析

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概要

家電や電気自動車においてPMモータが適用され、モータサイズの小型化、高出力化の要求が高まっています。一方で、小型かつ高出力のモータでは、磁気飽和や高回転による高周波成分の影響を受けやすく、モータの損失が増加してしまうため、同時に高効率への対応も求められています。高効率なモータの実現には、損失を精確に見積もることが重要となっています。
PMモータの駆動回路ではPWM制御(パルス幅変調制御)を用いた電流ベクトル制御が行う事があります。PWM制御により供給される電流波形は、基本波電流にキャリア高調波電流が重畳される形となり、このキャリア高調波電流により、モータコアに高周波の磁界が加わり、鉄損が生じます。この様な、高調波成分や、永久磁石による鉄心の磁気飽和により、従来の正弦波交流とは異なる磁束密度波形での鉄損の評価が必要となります。また、高速回転のPMモータでは、磁束密度の変動周波数が高くなり、表皮効果による積層鋼板の厚み方向の渦電流分布も無視できなくなっています。この様な条件下においては、より精度の高い鉄損算出機能を用いた評価が求められています。
ここでは、直流偏磁状態のマイナーループを考慮したヒステリシスモデルと積層方向の渦電流分布を考慮した積層解析機能を併用してIPMモータにおけるより高いキャリア高調波成分による鉄損を評価します。

鉄損

鉄損を図1に示します。ヒステリシスモデルおよび積層解析の結果に加え、従来の鉄損特性を用いた損失解析結果と比較します。
従来の鉄損特性によって得られた渦電流損失は過小評価しています。実駆動時のキャリア成分による磁束密度は、鉄損特性の測定時に比べて高磁束密度側で変動します。透磁率が下がり、表皮効果が緩和されて渦電流が流れやすくなるため、損失が大きくなったと考えられます。
また、ロータコアにおけるヒステリシス損は鉄損特性に比べ大きな値となっています。ロータコアでは、主に磁石磁束による直流重畳により、マイナーループの位置および面積が変わります。ヒステリシスモデルではこれらの影響をより正確に捉えられたためと考えられます。

ジュール損失/ヒステリシス損失密度分布

ジュール損失密度とヒステリシス損失密度の分布を図2に示します。
ロータコア表面においてヒステリシス損失が高くなっていることが確認されます。これはマイナーループの影響と考えられます。また、ジュール損失密度は、図1で示した結果同様に積層解析が鉄損特性より高い値となっています。

磁束密度波形

ロータコアとステータコアにおける磁束密度の波形を図3に示します。
ロータコアの磁束密度波形には、マイナーループの影響を引き起こす重畳直流成分が現れています。

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