229 – PWMを考慮した誘導電動機の鉄損解析

モデルデータ

概要

誘導電動機は固定子巻線の回転磁界により2次導体に誘導電流が流れ、その誘導電流と回転磁界により回転方向に力を生じるモータです。構造が簡単で、磨耗部分も無く、商用電源に接続するだけでも使用出来るため、産業用から家電製品に至るまで多く使われています。
誘導電動機の通常のシミュレーションでは正弦波駆動の電源を使用していますが、実際のモータ駆動は一般的にPWMパルスを生成するインバータドライブを使用しています。有限要素法解析ではPMW入力により詳細に誘導電動機の損失を解析することができます。
ここでは、PMW制御を考慮した誘導電動機でスタディを作成する方法について説明します。

PWM

誘導電動機のPWM制御のインバータを回路に配置する場合は、JMAGのマクロ素子を使用します。 PWM制御インバータはロータの角度位置を使用してPWMパルスを作成しますが、機械が同期速度で回転しないため、誘導電動機では使用できません。したがって、PWMパルスを120(Hz)と同期させるように設定し、40.8(V)の電圧を与える必要があります。スイッチング周波数は10(kHz)に設定されています。
PWM制御インバータの回路を図1に、波形を図2に示します。

誘導電動機の損失

この解析は、誘導機が3,300(r/min)(すべり0.0833)の速度で回転するように設定し、誘導電動機の電流と磁束密度を得るために、過渡応答磁界解析を使用します。時間ステップは、PWMの各周期が少なくとも30分割となるように設定しています。
図3に誘導電動機の磁束密度分布を示します。図中にて、磁束が集中するティース部分をマーキングしています。磁束密度が高い部分は大きな鉄損を誘発します。
図4と図5は、PWMの考慮の有無によるロータおよびステータにおける磁束密度の周波数成分を示しています。これらは、 PWMを考慮したほうが高調波のために損失が増加することを示唆しています。
図6は鉄損密度分布を示しています。

鉄損解析

磁界過渡解析の結果を用いて鉄損解析を行います。ここでは、PWM制御を使用した場合と使用しない場合の鉄損を比較しています。
表1は、ロータとステータの損失の違いを示しています。PWM制御を使用した場合、鉄損はロータは28(%)、ステータでは17(%)増加しています。

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