[JAC238] 直流重畳を考慮したリアクトルのヒステリシス損失解析

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概要

コンバータの基幹部品である高周波リアクトルを設計する上で、電圧変換に必要なパラメータとなるインダクタンス、損失は重要な要素となっています。
リアクトルは通常パワーエレクトロニクス分野で使用し高周波駆動します。高周波駆動時の損失現象は複雑であり、JMAGでヒステリシス損失を計算することが有益です。
ここでは、直流電流に加えスイッチングに伴う高周波電流が流れるモデルに対し、ヒステリシス損失の計算方法としてループカウント法とプレイモデルを用いた方法の違いを比較します。

ヒステリシス損失の比較

表1は2つの方法で求めた鉄心のヒステリシス損失を示しており、それぞれの計算結果に違いが生じていることが分かります。
ヒステリシス損失をループカウント法で計算した場合は、スタインメッツの経験則を使用し交流変動のみを考慮して計算します。一方、プレイモデルを用いた方法では直流オフセット上に交流変動を考慮して計算します。リアクトルの磁束密度のヒストリグラフを図1に示します。

プレイモデル

リアクトルは、10(kHz)、2(A)の正弦波電流、および20(A)の直流電流によって駆動しています。これは、図1に示すように、交流成分と直流成分を含む磁束密度変動となります。
1次元積層解析により、積層表面からの深さ毎にコアに誘起された渦電流を計算します。そこから、図2に示すように表面からの深さ毎の平均磁束密度を得ることができます。磁束密度は表皮効果により積層表面において最も高いことがわかります。
図3に示すように、磁場の直流成分を考慮し、鋼板の深さ毎に磁束のマイナーループを計算することができます。これは、ループカウント法とプレイモデルの計算方法の差異です。ループカウント法は交流のみを計算しているので、得られるヒステリシスループは異なります。
コアのヒステリシス損失が3.08(W)で渦電流損失が2.85(W)であり、ヒステリシス損失が全損失の半分以上を占めるような場合、直流重畳時の損失を正確に評価するにはプレイモデルを用いたヒステリシス損失計算を使用することを推奨します。

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