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概要
Dy拡散磁石は磁石表面に高い保磁力を分布させることで減磁耐性をあげることが可能になります。一方、着磁が不完全の場合、保磁力が低下し、減磁しやすくなる部分ができます。そのためDy拡散による効果と不完全着磁の効果の両方を考慮することが重要となります。
有限要素法を利用すると、不完全着磁を考慮した保磁力分布および熱減磁特性を定義できます。特性を定義した磁石特性を使用して、高温時のモータ性能を評価することができます。
ここでは、Dy拡散磁石を用いたモータにおいて、保磁力分布を持つDy拡散磁石の不完全着磁時の熱減磁耐性を解析します。
有限要素法を利用すると、不完全着磁を考慮した保磁力分布および熱減磁特性を定義できます。特性を定義した磁石特性を使用して、高温時のモータ性能を評価することができます。
ここでは、Dy拡散磁石を用いたモータにおいて、保磁力分布を持つDy拡散磁石の不完全着磁時の熱減磁耐性を解析します。
熱減磁情報を持つ着磁材料
着磁後の減磁特性は温度にも依存しますので、着磁時の印加磁界、着磁後に利用する際の温度を軸に特性テーブルを準備します。印加磁界は磁石内で一様ではないため、要素毎に異なる減磁特性を持ちます。
図1に印加磁界-温度-減磁特性のテーブルを示します。
図1に印加磁界-温度-減磁特性のテーブルを示します。
Dy拡散磁石の保磁力分布
Dy拡散磁石は、最大保磁力の値が磁石の内部で分布を持ちます。本事例で使用したDy拡散磁石の保磁力分布(完全着磁)を図2に示します。
不完全着磁時は印加磁界に応じて保磁力分布が変化します。
不完全着磁時は印加磁界に応じて保磁力分布が変化します。
磁化分布
投入電流25(kA)、45(kA)における組込み着磁によって得られた磁石の磁化分布を図3に示します。投入電流が小さい程、ブリッジ付近のマグネットの中央から外側にかけて磁化が小さくなるため、磁化が小さい部分で不完全着磁となります。
磁化の大小の影響だけでなく、Dy拡散磁石には保磁力分布の影響もあり、保磁力が低く不完全着磁となった部分が減磁しやすくなります。
磁化の大小の影響だけでなく、Dy拡散磁石には保磁力分布の影響もあり、保磁力が低く不完全着磁となった部分が減磁しやすくなります。
トルク
磁石の温度を変化させた場合の平均トルクを図4に示します。
着磁電流が25(kA)の場合は100(deg C)の状態でも完全着磁と比較してトルクが低下していることが分かります。このことから、着磁電流25(kA)では磁石全体が不完全着磁の影響で十分に磁化されていないため、完全着磁に対し全温度範囲で全体のトルク低下を招いていると予測されます。
また、温度の上昇に伴い磁化特性が変化します。完全着磁でも130(deg C)以上で、トルク減少が大きくなり、熱減磁しています。着磁電流45(kA)では、130(deg C)まではほぼ完全着磁の場合と同じトルクカーブになっていますが、130(deg C)を超えると完全着磁よりも大きなトルク低下となります。これは不完全着磁では局所的に減磁が大きい部分があるため、高温で完全着磁時に比べてより減磁しています。これにより、平均トルクが減少しています。
着磁電流が25(kA)の場合は100(deg C)の状態でも完全着磁と比較してトルクが低下していることが分かります。このことから、着磁電流25(kA)では磁石全体が不完全着磁の影響で十分に磁化されていないため、完全着磁に対し全温度範囲で全体のトルク低下を招いていると予測されます。
また、温度の上昇に伴い磁化特性が変化します。完全着磁でも130(deg C)以上で、トルク減少が大きくなり、熱減磁しています。着磁電流45(kA)では、130(deg C)まではほぼ完全着磁の場合と同じトルクカーブになっていますが、130(deg C)を超えると完全着磁よりも大きなトルク低下となります。これは不完全着磁では局所的に減磁が大きい部分があるため、高温で完全着磁時に比べてより減磁しています。これにより、平均トルクが減少しています。