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概要
巻線界磁型同期モータ(以下WFSM)は界磁側の起磁力が可変である機能を有し、中高速低トルク領域で高効率が得られやすいという特徴があります。近年では WFSMの用途の一分野として電気自動車の駆動モータがあり、モータの効率向上が求められています。
高効率モータを設計するには、最大効率が得られる界磁電流と電機子電流の組み合わせを把握することが重要となります。しかし、実測でこれらを把握するためには多大な労力が必要となります。一方、シミュレーションを用いれば、短時間で容易に把握することができます。
ここでは、WFSMについてモータ出力を一定とした場合の、界磁電流に対するモータ効率を求めます。
高効率モータを設計するには、最大効率が得られる界磁電流と電機子電流の組み合わせを把握することが重要となります。しかし、実測でこれらを把握するためには多大な労力が必要となります。一方、シミュレーションを用いれば、短時間で容易に把握することができます。
ここでは、WFSMについてモータ出力を一定とした場合の、界磁電流に対するモータ効率を求めます。
界磁電流とモータ効率および損失割合の関係
回転数600(r/min)、トルク28(Nm)の場合の界磁電流に対するモータ効率を図1に、界磁電流が3、6、10(A)の場合の損失割合を図2に示します。
図1より、界磁電流が6(A)の場合にモータ効率が最大となっています。図2より、モータ損失の中で銅損が占める割合が高いことがわかります。界磁電流を6(A)よりも小さくすると、同じ出力を得るために電機子の電流の振幅を増やす必要があるため電機子銅損が増大して効率が低下します。一方、界磁電流を6(A)よりも大きくすると界磁銅損が増大するため、やはり効率が低下します。
これらの結果から、 WFSMの最大効率を得るためには電機子電流と界磁電流の最適な組み合わせを見出すことが重要であることがわかります。また、シミュレーションを用いることにより、モータ効率の要因である損失の内容を把握することができます。