ワイヤレス給電コイル線材のアルミ化効果

田淵電機株式会社
技術開発本部 R&D センター
小笠原 敦

概要

田淵電機が開発したアルミリッツ線と銅端子の異種金属接合技術により、数十kWクラスのワイヤレス給電用コイルをアルミ化することが現実的なものとなった。
コイル線材のアルミ化は、製品の軽量化に貢献する一方で電気特性に影響を与える。特に、大容量のワイヤレス給電においては、高周波磁束が導線を通過することによる近接効果損失が無視できない。線材の銅/アルミの効果やリッツ線の撚り方を検討する前提として、ワイヤレス給電環境におけるリッツ線の損失発生要因をJMAG解析で理解しておくことは、最適化した製品設計を行う上で重要である。
本講演では、リッツ線の特徴を説明したのち、3DCADで作成したワイヤレス給電コイルモデルをベースとしたJMAG解析を行う。同じ3Dモデルから作製した試作品による実測値とJMAG解析結果を比較する。さらに、JMAG解析で得た磁束密度分布から導線にかかる磁束密度を算出し、近接効果によるリッツ線の損失について評価する。最後に、銅リッツ線とアルミリッツ線について近接効果の差異を考察し、アルミリッツ線の電気特性を説明する。

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