230 – 6相SPMモータのインバータ故障シミュレーション

モデルデータ

概要

近年、コスト低減や機能向上というメリットから、車載用モータでは多相設計が採用されています。例えば、3相2重巻線とした6相モータがあり、インバータを2基使用して位相を電気角30(deg)ずらして給電します。このように、複数のインバータを使用することで、インバータの一部で故障が発生しても制御不能な状態に陥らず、安全に停止出来るという車載モータシステムの冗長性強化に繋がります。ただし、安全性を精度よく評価するには回路シミュレーションが必要です。
インバータ故障時は過電流が流れ電磁鋼板の磁化特性の非線形領域を使用するため、インダクタンスも非線形的な挙動を示します。これより、線形理論式に沿った計算手法では精度の高いプラントモデルを作成することが出来ません。JMAGでは、モータが含有する磁気飽和特性や空間高調波を考慮した詳細で実機に即したプラントモデルを作成することが出来ます。
ここでは、6相SPMのJMAG-RTモデルを制御/回路シミュレータへ取り込んで、インバータ故障時の回路シミュレーションを行っています。

制御回路

制御回路を図1に示します。指令値は電流振幅8(Apeak)と電流位相0(deg)としており、電圧指令値がインバータを介してモータに接続されています。インバータ1はU1相、V1相、W1相と接続しており、インバータ2はU2相、V2相、W2相と接続しています。また、計算開始後0.02(sec)でU1相のアームに故障が発生するように設定しています。

電流波形、トルク波形

U1相、V1相、W1相の電流を図2、 U2相、V2相、W2相の電流を図3、トルク波形を図4に示します。
図2より、故障発生後にU1相の電流が一部で減少し、V1相、W1相のコイルに過電流が流れていることが分かります。一方で、図3よりU2相、V2相、W2相の電流は安定していることが分かります。
図4より、故障後のトルクは周期的に大きなリップルが乗るもののある程度の大きさを維持しています。これより、制御不能な状態には陥っておらず、安全に停止状態に持っていくことが出来ると判断できます。

絞込み検索