[JAC059] PWMを考慮したIPMモータの鉄損解析~直接連携~

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概要

高効率モータの駆動回路ではPWM制御(パルス幅変調制御)を用いたベクトル制御が用いられる事が多くなっています。PWM制御では、負荷や回転数に応じて電流の位相や振幅を低損失で調整することが可能なため、広い運転範囲で高効率を実現することが出来ます。PWMの制御周波数をキャリア周波数といい、数(kHz)から10数(kHz)が良く用いられます。PWM制御により供給される電流波形は、基本波電流にキャリア高調波電流が重畳される形となり、このキャリア高調波電流により、モータの各部にも高周波の磁界が加わります。その結果、これを原因とする、コア鉄損や磁石渦電流損失が発生します。これらの損失は総量としては支配的ではありませんが、高効率を目指すうえでは厄介なため、設計において排除しておく必要があります。これらの問題を検討するためにはモータの電磁気的な挙動は勿論、駆動回路がどのような制御を行うかも把握しなければなりません。
事前にCAEでこの現象を検討するためには、精度の良いモータモデルとインバータモデルを連成させることが必要となり、回路/制御シミュレータと直接連携する方法やJMAG-RTモータモデルと制御/回路シミュレータを用いて得られた電流波形を入力とする方法、実測電流を入力とする方法があります。
ここでは、回路/制御シミュレータと直接連携することにより、キャリア高調波を考慮したIPMモータの鉄損を求めています。

鉄損

PWMインバータ駆動と正弦波電流駆動における鉄損、ヒステリシス損失、ジュール損失の値の比較を表1に示します。
ロータコア、ステータコアともにPWMインバータ駆動時の鉄損が増加しています。中でもジュール損失の増加が大きく、ロータコアでは約7割、ステータコアでは約4割増加しています。

ジュール損失

ジュール損失の周波数成分を図1~図4に示し、ジュール損失密度分布を図5、図6に示します。
ロータコア、ステータコアともに基本周波数(ロータコア360(Hz)、ステータコア60(Hz))とその高調波成分は、正弦波電流駆動とPWMインバータ駆動でほぼ同じ損失量であるのに対し、PWMの基本周波数(10(kHz))とその高調波成分は、PWMインバータ駆動時のみに損失が発生しています。(図中、緑枠)
これよりPWMインバータ駆動時にジュール損失が増加するのはキャリア高調波の影響であることがわかります。詳細なモータ特性を評価する上で、キャリア高調波の影響を考慮する必要があるといえます。

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