[W-MA-70] コイル交流損失解析のためのメッシュモデリング

目次
1. 背景
2. コイル交流損失を精度良く計算するためのメッシュ分解能
3. まとめ
4. 参考文献

1. 背景

近年、回転機において高出力化のために角線コイルの使用が増えてきている。そのため解析では素線形状をモデル化し素線に生じる渦電流・交流損失を計算することが増えている。素線の交流損失を計算するためには鎖交する磁束とそれによって生じる表皮効果・近接効果を正確に捉える必要がある。メッシュ分割ではこれらの現象を捉える分解能が求められる。一方、分解能を増やしすぎるとモデル規模が過大となり計算コスト増大につながり適切な分解能を設定する必要がある。
本報告ではメッシュモデリングの観点からコイル交流損失解析について考察する。

2. コイル交流損失を精度良く計算するためのメッシュ分解能

回転機の中でコイルの交流損失を生じさせる現象は3つ考えられる。

  1. コアからの漏れ磁束がコイルを鎖交して生じる渦電流
  2. 電流波形に含まれる高調波成分により素線内部に表皮効果が生じ、損失密度分布に偏りが生じる
  3. 他の素線からの磁束により渦電流が生じる近接効果

スロット内部に生じる漏れ磁束は複雑である。漏れ磁束がどう発生するかはティース形状や磁気飽和によって異なる。また変圧器やリアクトルとは異なり、回転とともに漏れ磁束の流れ方も変動するため一定領域を鎖交しているわけではない。汎用的に効果的なメッシュ分解能を設定するために事前に渦電流を考慮しない解析を行い漏れ磁束が鎖交する領域を確認することが有効である。この事前の解析で渦電流を考慮してしまうと得られる磁束が渦電流による反磁界の影響を含んでしまい、実際に素線に鎖交する磁束成分を正しく評価できないためである。(続く)

(a) モデル全体
(a) モデル全体

(b) 素線拡大
(b) 素線拡大

図1 コイル交流損失解析モデル
素線形状をモデル化しFEMコンダクタを設定し渦電流を計算する

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