目次
1. 概要
2. 課題
3. 課題の解決策
4. カムシャフトの高周波焼入れ解析
4.1 解析モデル
4.2 メッシュモデル
4.3 解析結果
4.4 並列計算による速度向上
5. まとめ
6. 参考文献
1. 概要
誘導加熱解析を正確に行うためには、ワーク表面のみでなく内部にまで層状メッシュを生成する必要がある。一方でメッシュ数が多すぎると実務に耐えうる現実的な時間内に結果を得ることができない。
本稿では、誘導加熱の事例を用いて高並列ソルバの性能を評価した。結果として、マッピングなどの非並列処理を含む熱磁界双方向連成解析においても、MPP256並列を用いることでSMP8並列に対して14倍の速度向上が得られることが分かった。
2. 課題
ワーク表面に生成する層状メッシュを、常温の表皮効果に基づいて決定すると高温時の発熱密度分布を正確にとらえられない可能性がある。図1に示す例題モデルを用いて検証を行う。温度上昇が進むと、表皮厚さが増大し、内部に流れる電流が急激に低下する領域が発生する(図2)。従って、空間分解能が粗いと誤差を生じる。この誤差を抑制するためには、表面のみでなく非加熱体の内部にまで層状メッシュを生成する必要がある。
部分モデル化により温度分布を正確に評価できない場合もある。シャフトのように長いものに対する同時加熱を扱う場合、シャフト長手方向の端部と中央部で放熱の違いから温度差が生じる(図3)。そのためフルモデルを使用し温度分布を正確に捉える必要がある。ただしこれは、さらなるモデル規模の増大につながる。(続く)
図1 例題モデル
図3 シャフトの多箇所同時加熱による温度分布
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