214 – 回路制御シミュレーションを用いたIPMモータのティースに働くラジアル力のモニタリング

アプリケーションノート・モデルデータ

概要

電気自動車で使用されるモータは一般的にはエンジンよりも静かですが、駆動範囲が広いことから振動・騒音が問題になることがあります。この振動、騒音は電磁加振力とモータの固有モードの共振によっても発生します。
電磁加振力の中でもティースに働くラジアル力に着目すると、電気角1周期で磁石が2極分通過するため2次成分が支配的となります。一方で、6次成分は各ティースの加振力が同位相となるため、最も放射音になりやすい円環0次モードを励起しやすいことが知られています。このように、振動・騒音の対策のためには、周波数成分ごとの加振力の把握が有益です。
JMAGでは、モータが含有する磁気飽和特性や空間高調波を考慮した詳細で実機に即したモータモデルを作成することが出来ます。このモータモデル“JMAG-RTモデル”を制御/回路シミュレータに組み込むことにより、モータの磁気飽和特性や空間高調波とモータドライバの制御特性の両方を考慮した連携シミュレーションを行うことができます。さらに、モータ駆動時のティースに働くラジアル力をモニタリングし、モータ設計や制御設計へフィードバックすることが出来ます。
ここでは、IPMモータをJMAG-RTモデルとして制御/回路シミュレータへ取り込み、動作点(電流位相)を変えながらモータ駆動時のティースに働くラジアル力をモニタリングしています。

制御回路

制御回路の制御部を図1、回路部とモータを図2に示します。指令値は電流振幅を84.8(A)、電流位相を0(deg)、45(deg)、75(deg)としており、電圧指令値がインバータを介してモータに接続されています。

電流波形

IPMモータをベクトル制御で駆動した時の、電流位相ごとの電流波形を図3~図5に示します。電流位相を進ませることで界磁が弱められ、磁気飽和が緩和されます。磁気飽和が緩和されインダクタンスが増加することによって、電流波形に含まれる高調波成分が減少しています。

ティースに働くラジアル力波形

IPMモータをベクトル制御で駆動した時の、電流位相ごとのティースに働くラジアル力波形を図6、周波数成分を図7に示します。なお、図6において値が負の場合は、モータの中心軸方向に働くラジアル力であることを示しています。
電流位相の変化に伴い、ステータ磁極とロータ磁極の位置関係や電流波形が変化します。これにより、ティースに働くラジアル力も変化していることがわかります。図7より、周波数成分ごとのティースに働くラジアル力を確認することが出来ます。

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