218 – 変形を考慮した高周波焼入れの解析

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アプリケーションノート・モデルデータ

概要

歯車は、歯の表面の耐摩耗性を確保するために表面を硬化するのが一般的ですが、歯車の全体的な靭性を維持しつつ、表面を硬化する必要があります。表面硬化法の一つである高周波誘導加熱の場合、高周波電源を用いて表面のみを急速加熱することで歯の表面のみを硬化させることができます。
一方、歯車の表面を均一に加熱するためには、加熱コイルの形状、配置、周波数およびサイズの調整方法など、いくつかの要素を検討する必要があります。
高周波の変化する磁界によって発生する渦電流は歯の表面に付近に発生します。また、温度が上昇するにつれて材料特性が大きく変化し、熱応力により加熱された物体は熱変形します。有限要素法(FEM)に基づく数値解析において発熱量や変形量を計算する必要があります。
ここではJMAGの磁界-熱応力の連成解析機能を用いて、誘導加熱硬化による歯車の変形を評価する解析を行っています。

渦電流損失

コイルには高周波(30(kHz))の電流が流れ、歯車に誘導電流を励起させる磁場変動が発生します。電流は表皮効果のため、歯車の歯先に集中することになります。
表皮厚さは図1に示す式で計算することができます。
磁界解析により、モデル内の誘導電流を確認できます。これら誘導電流による損失は、熱応力解析の熱源として使用します。熱応力解析で得られた歯車の温度分布と変形は、磁界解析にて条件として入力します。
歯車の歯先のカット面の渦電流損失密度分布を図2に示します。

温度分布

誘導電流による損失は、発熱源として作用し温度を上昇させます。熱応力解析では、磁界解析で得られた損失を入力条件として設定します。損失は主にモデルの外側である歯先に集中するため、この領域は当然のことながら最大の温度変化となります。得られた温度分布を磁界解析の入力条件とし、材料の磁化特性や電気特性の温度特性を考慮します。
歯車の温度分布を図3に、歯先の温度変化の時刻特性を図4に示します。図4は、図3に示す歯幅中心における温度変化です。

熱応力(変形)

4(sec)時の歯車の変形と温度分布を図5、歯車の変位を図6に示します。100倍の倍率でモデルの熱膨張変形を確認しています。
歯車の温度が変化すると熱膨張や熱収縮によって変形します。この時、拘束や不均一な温度分布などによって熱応力が発生します。図より、最も温度の高い部分が最も膨張していることがわかります。加熱4(sec)後には、先端は最大0.18(mm)まで変形しています。さらに、歯車が重力によって地面の方向に引っ張られており、重力が変形に及ぼす影響も確認することができます。

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