[W-MB-102] モデルベース開発とシミュレーションによるモータ効率マップ評価⽅法

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1. モデルベース開発と効率マップ評価

モデルベース開発では試作を待たずに機器特性を評価する必要がある。モータドライブシステム開発ではモータの効率マップは重要な評価項⽬の⼀つである。そのためシミュレーションでモータの効率マップを精度よく求めることが必要である。
⼀⾔に効率マップ評価と⾔っても開発ステージごとに評価するポイントとコストが異なる。ここでは⼤きく以下の2つのステージにおける効率マップ評価を考える。

  • 概念設計
  • 詳細性能評価

概念設計ではモータ形状を変えながら特性を評価する。そのため形状ごとに効率マップを評価する必要がある。
多数ケースを評価するため、ひとつのマップ⽣成にかけられるコスト(計算時間)も限られる。詳細性能評価の段階では通常試作が⾏われ、モータベンチでの性能評価が⾏われる。モデルベース開発では、ベンチでの試験をシミュレーションによる仮想試験に置き換える。そのためシミュレーションでは実機相当の精度が求められる。

シミュレーションによる効率マップ評価はソフトウェアを駆使することで可能になっている。しかし、上記のような開発ステージごとのマップ評価について⾔及されている⽂献は少ない。本報告では概念設計、詳細性能評価における効率マップ⽣成評価⽅法について解説する。また、マップに求められる精度、⽣成コストについて説明する。

2. 概念設計におけるモータ効率マップ評価

概念設計時の効率マップ生成にはモータ特性のマップを用いる。モータ形状に対して、電流振幅、位相、回転速度をパラメータにトルク、鎖交磁束、損失のマップを生成する。その後、制御方法に応じて速度-トルクカーブ、各動作点で効率計算を行う。モータ特性マップは以下の特徴を持つ。

  • トルク、鎖交磁束、損失の電流振幅、位相、速度依存性を持つ(速度依存性は鉄損のみ)
  • 渦電流の考慮なし
  • 正弦波電流波形(損失はスロット高調波成分を含む)

ここでは効率マップ評価のために必要な特性マップの分解能について説明を行う。効率マップの精度は以下の方法で行った。

  • 効率マップの速度、トルク軸をそれぞれ10点ずつのグリッドに分けて各点の効率を評価
  • 最も細かい特性マップと比較して、効率の最大誤差(効率値の差)が0.4%以下である場合、差がないと判断(0.4%は後述される性能評価用効率マップと概念設計用効率マップの最小誤差)

電流振幅分解能に対する効率マップへの影響を示す。電流振幅には、磁気飽和の影響を考慮し、NTカーブの最大トルクを捉えることができる分解能が必要である。図2に特性マップの電流振幅を変えた場合の効率マップを示す。すべてのマップで最大誤差が0.4%を下回り、振幅4点あれば効率マップを評価できることがわかった。図3にそれぞれのトルク、鎖交磁束のマップを示す。

目次
1. モデルベース開発と効率マップ評価
2. 概念設計におけるモータ効率マップ評価
3. 詳細性能評価のための効率マップ評価
4. まとめ
5. 参考文献

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