第7回 次世代の電磁界解析セミナー
モータの高精度損失解析の実務への展開 続々報

開催趣旨

JMAGでは「モータの高精度損失解析の実務への展開」というテーマで2013年から隔年開催し、今年が3回目となります。

今回は、新しい材料モデリング技術を実際に適用する時に直面する具体的な問題点とその対処方法について、今日実務展開に尽力されている研究者・技術者の方々に解説いただきます。また、「聴く」だけでなく、新しい材料モデリング技術の完全理解を目指した体験・学習できる企画も用意しています。

新しい解析技術を実務に取り組もうとされている方々には是非ご参加いただき、実務展開にお役立ていただきたいと思います。

参加者の方々と共に今日の課題について多くのディスカッションをできることを楽しみにしております。

準備日記

Vol.6 セミナー参加お礼
昨日は朝9時から夕方6時まで、さらに、懇親会に参加された方々は8時まで、延々11時間(アメリカまで飛べます)、精力的にご参加いただき、ありがとうございました。講師の方々には示唆に富んだご講演をいただき、私も多くの事を学ぶことができました。私は事前に講演資料も頂いているので内容についてはわかっているはずなのですが、その場で直接説明をいただき、さらに、参加者との質疑応答を聞くと、”ああ、そういうことなのね”と理解が深まります。さらに、関連の事柄について、休憩時間や懇親会で参加者の方々とお話をすると、いろいろな視点があることに気づかされます。恐らくこの感覚は多くの参加者と共有できるものだと思います。なんでも机の上のPCからアクセスできるITの時代とはいえ、やはり、ライブには、そこに実際に行って参加するだけの価値があると思います。

また、セミナーテーマが損失解析に絞られていたせいでしょうか、参加者同士のディスカッションも非常に活発であったように感じました。私も何人かの方と挨拶を超えた具体的なディスカッションをさせていただきました。

さて、午前のプレイモデルのセミナーはいかがでしたでしょうか?、と聞くまでもありませんね、時間配分に失敗しました。後半、駆け足どころか、ウサイン・ボルト並みの加速をしてしまいました。誠に申し訳ございません。プレイモデルのさわりの部分だけでもご理解いただけていると良いのですが・・・。
昨日お伝えしましたとおり、解答につきましては近日中に参加者限定でJMAGのWEBサイトにアップします。少しだけお待ちください。解説などにつきましても、後日、ご覧いただけるように準備したいと思います。コラムのリベンジを目論んだのですが見事に返り討ちにあってしまいました。捲土重来を期したいと思います。

今回のような機会が参加者の皆さんにとっても有益で健全な情報交換、アイディア創生の場になればと願っております。
また、近い将来どこかでお目にかかれればと思います。

JMAGビジネスカンパニー
山田

Vol.5 いよいよ明日、JPタワー名古屋で
セミナーの開催もいよいよ明日に迫ってきました。私たちの準備作業は、計画によれば先週中に整然と完了しているはずなのですが、セミナー関連のメールが通勤ラッシュのようにものすごい勢いで飛び交っていたり、ゲラ持ってきて”文言確認お願いします”って、おいおい、今ですか?、そんな感じです。明日のセミナーは、朝9時に始まって12時まで、プレイモデルのセミナー(ブートキャンプ!?)、午後1時半から6時までは5つの講演と、タイトなスケジュールになっているのですが、お昼や午後の休憩時間を使って、測定器メーカの展示に加えて損失解析技術に関するポスター展示も行います。関連技術の知識整理になればと考え、準備してみました。是非、ご来場いただき、準備に奔走したJMAGメンバーに疑問、質問、要望を投げかけてください。

講演の後は恒例の懇親会です。皆さんと今後の損失解析技術の実務展開について、または、今年の夏の猛暑の乗り越え方についてディスカッションができればと思います。

明日、JPタワー名古屋 ホール&カンファレンスで皆様のお越しをお待ちしております。

Vol.4 プレイモデル、ブートキャンプ!
来週のセミナーの午前の部について、
前回、頭と体を使う、と書きましたが、実際、9時から12時まで、多くの課題に取り組んでいただくことになります。
なぜか。プレイモデル自身、1つの式、補助式を入れても数個の式で表現されるので、これを形の上で知るだけであれば、勉強など不要です。ただ、実務上発生する利用上、データ測定上での問題に取り組んだり、技術資料を理解するためには、プレイモデルを”腹に落とす”ことをしないとだめだと思います。
そのためには、手を動かして、考えて、紙に書いてみるのが一番だと考えました。プレイモデルの習得プロセスについて周りの人に聞いてみても、泥臭い作業をスキップした人は一人もいませんでした。少々タフな3時間になることは間違いないのですが、それでも、少しでも効率的に実習を進めていただくために”ワークブック”を準備しています。セミナー用の完成された教科書はありません。問題を解きながら自分の教科書を作り上げていただきます。
現在、ワークブックを社内で試用評価しているのですが、”これはあまりに過酷だ”とか”体は使うけど頭が使えない”とか”一日かかっちゃいました”など、厳しいフィードバックを受け最後の調整をしています。

当日は、お馴染み、ご好評のJMAG3色ボールペンに加え、新作のJMAG定規も配付します。プレイモデルの理解には線をたくさん引いてもらわないといけないので。 ワークブックを使ったメンバーからは、鉛筆と消しゴムがあった方がいい、とのコメントもありましたのが、今回はJMAG鉛筆・消しゴムまでは準備できませんでした。すみません。

Vol.3 コラム:解析屋が見た損失評価 夏休み補講編、リベンジ
当然、ここで前回の準備日記 Vol.2で出した問題の答えをここで述べるべきだとは思うのですが、それをするにもまず、プレイモデルをある程度知っていただかないといけません。
ただ、それを学ぶセミナーの準備日記でその説明を始めるわけにもいかないので、答えをお知りになりたい方はセミナーに来ていただくか、拙コラムをご覧いただきたいと思います。ご存知の方もいるかと思いますが、2年程前に、やはり、プレイモデルの理解者が多くない事実に気がつき、プレイモデルの解説を拙コラム”解析屋が見た損失評価“で行いました。当時はそれなりに頑張ったつもりで、それなりの方々にお読みいただいたと思うのですが、今一度読み返してみると、うーん、厳しいなぁ、という感じです。もう少し丁寧な説明をしないといけません。ご愛読いただいた方々ありがとうございます、です。

ということで、今回の午前の部「レクチャー:プレイモデル基礎講座」のベースはその時のコラムです。もちろん、反省を込めて改良を加えています。ご期待ください。
ただ、座って聞いていれば身につくような魔法のセミナーではありません。頭と手を大いに動かしていただく実習形式です。次回はそれについて触れてみたいと思います。

参考リンク

コラム:解析屋が見た損失評価 夏休み補講編(2015年7月)

Vol.2 プレイモデル、わかる?わからない?
午前の部ではプレイモデルの基礎を学びます。
プレイモデルは強力な磁化モデルである一方で、少々難解なのが玉にキズです。従来の磁化モデルは馴染み深いBHカーブそのものなので意識して理解するまでもないのですが、プレイモデルは全く直感的ではありません。このわかりにくさがプレイモデルを含む新しい損失解析手法の導入の壁になっているのではないかと思い、今回のセミナーで取り上げることにしました。プレイモデルに関する優れた論文は多々ありますが、基礎の理解を前提として書かれており、基礎を持たずにアタックすると滑落してしまいそうです。結果としてプレイモデルを理解して活用しているグループとそうでないグループに大きな溝が出来てしまっているような気がします。デジタルデバイドならぬプレイモデルデバイドです。この分断された2つのグループの架け橋、せめて、渡し船、になれればとの思いもあります。

突然ですが、ここで問題です。
従来法では非線形性を正しく表現するためのBHカーブを得るためには、線形域から飽和域に差し掛かるあたりで測定点を増やさなくてはいけないことは、比較的素直に理解できると思います。では、プレイモデルを使った場合、マイナーループを精度良く表現するためにはどのような測定データが必要になるでしょうか?

Vol.1 第7回 次世代の電磁界解析セミナーを開催します。
来る7月11日に名古屋にて次世代セミナーを開催します。今回のテーマは前回に引き続き損失解析です。
前回のセミナーでは新しい損失解析技術の紹介を行いました。
それから2年が経ち、その新しい手法にチャレンジする人達も増えてきました。損失解析の標準が徐々に変化していることを感じています。一方で、新しい手法にチャレンジしようとは思ったけれども、自信が持てない、データ揃わない、具体的な手順がわからないなどの理由で、二の足を踏んでいる人も多いようです。

今回のセミナーは、そのような人達に向けて企画しました。

午後の講演では、新しい技術の適用事例から一歩踏み込んで、適用時の具体的な課題とそれをどのように解決したかについて解説いただきます。講師の方々は実際の製品開発の中で新しい技術に取り組まれており、その体験に基づく解説は大いに参考になると思います。

その講演聴講の準備として、午前にプレイモデルの基礎を学ぶためのセミナーを行います。プレイモデルはマイナーループも扱える強力な手法ですが、少々複雑です。プレイモデルの基本的なメカニズムの徹底理解を目指します。

会場には測定器メーカの展示もありますので、材料特性やトルクの測定の最新技術や製品に触れることができます。

たった一日のセミナーですが、内容は盛りだくさん、充実した一日になると思います。
もちろん夕方は懇親会。皆さんで大いにディスカッションをしましょう。
皆さんのご来場をお待ちしています。

概要

主催 株式会社JSOL
会期・定員 2017年7月11日 (火)
午前の部 9:00~12:00(8:30受付開始)
レクチャー:プレイモデル基礎講座
定員:50名

午後の部 13:30~17:45(13:00受付開始)
次世代の電磁界解析セミナー
定員:100名
会場 JPタワー名古屋 ホール&カンファレンス
〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅1-1-1 KITTE名古屋3階
(JR名古屋駅 徒歩1分)
http://www.jptower-nagoya-hall.jp/access/index.html 
対象者
  • 効率および損失に関する実測と解析の同定に課題をお持ちの方
  • 損失解析の高精度化に関心がある方
  • 測定した材料特性を効果的に解析に反映する方法を知りたい方
  • 最先端の損失解析技術に興味がある方
  • 新しい解析技術を学びたい方
参加費 無料
申込〆切 開催日5営業日前
(定員に達した場合、締切らせていただくことがございます。)

お申込み

2017/07/05
参加受付は締切らせていただきました。多数のお申し込みをいただき、誠にありがとうございました。

プログラム

午前の部 レクチャー:プレイモデル基礎講座

時間 内容
8:30~9:00 午前の部受付
9:00~12:00
レクチャー:プレイモデル基礎講座

株式会社JSOL

磁気ヒステリシスをより精度よく再現できるプレイモデルの基礎について学びます。
新しい損失解析手法として注目されているプレイモデルですが、従来の手法に比べて複雑に見えてしまうため、二の足を踏んでいる人も多いと思います。本セミナーは、そんな食わず嫌いの人達のために企画されました。
一見難解に見えるプレイモデルも順を追って学んで行けば、本質をしっかりと理解することができます。本セミナーでは、プレイモデルのメカニズムをドリルを通して体感、用語を学び、関連の技術情報が理解できるレベルを目指します。

レクチャー内容:
1.プレイモデルの特徴
2.プレイヒステロン
3.形状関数
4.形状関数の同定
5.今日の話題
6.まとめ
レクチャー参加対象:
・高精度な損失解析を必要としている方
・新しい材料モデリングに興味のある方
・一度プレイモデルを学んで挫折した方
・今日のプレイモデルに関する論文を理解したい方
・プレイモデルの理解が進まず、導入を躊躇している方

2017年7月18日 追記
本レクチャーにて使用したテキストの解答集を掲載いたしました。(公開終了)

午後の部 第7回 次世代の電磁界解析セミナー

時間 講演概要
13:00~13:30 午後の部受付、展示
13:30~13:45 開会挨拶・オリエンテーション
株式会社JSOL 山田 隆
13:45~14:25 プレイモデルによるヒステリシス特性を考慮した有限要素磁界解析
三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 電機システム技術部 動力推進モータ技術グループ
北尾 純士 氏

近年の環境問題を背景に、家電や自動車で使用されるモータの高効率化が望まれている。現状の磁界解析では鉄心材料の初磁化曲線のみを考慮し、鉄損は後処理で評価する手法が一般的に用いられている。電気機器の更なる高効率化のためには鉄損算出の高精度化が必要不可欠であるため、ヒステリシス特性を考慮した磁界解析を行い、鉄損を直接算出することが望ましい。
現在提案されているヒステリシスモデルの中で、モデリング性能が高く、かつ、計算コストが少ないプレイモデルが注目されている。本発表ではプレイモデルによるヒステリシス特性を考慮した磁界解析を用いて電気機器の解析を行い、ヒステリシス特性の考慮の有無が機器の諸特性に与える影響について説明する。

14:25~15:05 加工ひずみを考慮したモータ鉄損の解析手法に関する検討
株式会社デンソー 材料技術部
土井 智史 氏

打抜きや焼嵌めなどのモータ鉄芯の量産工程では、鉄芯材料中に磁壁移動を阻害しモータ鉄損を増加させる要因となる残留ひずみが生じる。従来、このような加工歪による鉄損増加は、モータ設計段階では評価が困難なことから、モータ試作品を用いた実機評価によって評価されてきた。このため、設計手戻りによる評価工数の増加や、加工歪を考慮した最適化が困難、という問題があった。そこで我々は、特にモータ鉄損に大きな影響をおよぼすと推定される打抜き歪を考慮した鉄損計算手法について検討を行った。

15:05~15:35 休憩
15:35~16:15 鉄損計測
株式会社豊田中央研究所 モータシステム研究室
浦田 信也 氏

本報では、モータ鉄心材に使用される磁性材料の鉄損計測に関する技術(磁束密度や磁界強度の計測法、鉄損の計測系)を紹介する。
また事例紹介として、歪磁束条件下、圧縮応力下、回転磁束下の鉄損計測法・計測結果も紹介する。

16:15~16:55 異常渦電流損失計算の課題とアプローチ
株式会社JSOL
佐野 広征

幅広い駆動状態において高精度な鉄損解析を行うためには測定条件が限定される実測ベースよりも物理モデルが有効です。
ヒステリシス損失計算にプレイモデル、古典的渦電流損失計算に1D法など物理モデルが提案され、実用が進んでいます。
一方、異常渦電流損失に関しては実用的な物理モデルがありません。本セミナーでは鉄損解析の高精度化における異常渦電流損失計算の課題のレビューとJMAGの取り組みついて紹介します。

16:55~17:35 可変磁束モータの損失解析
名古屋工業大学大学院 工学研究科 電気・機械工学専攻
教授 小坂 卓 氏

近年、運転状態に応じて界磁磁束を可変させる可変磁束モータが注目を集めている。本講演では、その狙いと技術方式を分類整理し、その一種である巻線界磁と永久磁石界磁を併用したハイブリッド界磁モータを具体例に、試作機の計測損失分析と鉄心の直流偏磁を考慮した鉄損解析など各種損失分析結果について紹介する。

17:35~17:45 閉会挨拶
17:45~19:15 懇親会

※講演内容は、都合により変更となる場合がございます。
※昼食のご用意はございません。 各参加者の方におかれまして近隣にて昼食を召しあがりください。
なお、セミナー会場内へのご飲食物の持ち込みはお断りしております。予めご了承ください。
※キャンセル待ちでのお申込みに関しましては、6月23日までに参加可否のご連絡をいたします。

出展

計測

株式会社ブライテック
2次元単板磁気試験器
2次元単板磁気試験器は、磁界解析時に必要な電磁鋼板の交番磁束および回転磁束条件下での磁気特性を測定します。

  • 2Tまでの高磁束密度領域での磁気特性測定が可能
  • 磁束密度波形制御にFPGAを使用し高速な測定を実現
  • 試料サイズは60mm×60mm
  • 磁界強度の測定はHコイル法を採用

メトロン技研株式会社
モータの低損失・高効率化の開発支援
【鉄損テスター】

電磁鋼板の鉄損をローコストで測定が可能になります。
「JMAG」に実測値を取り込みやすい機能を取り揃えました。
実測データを取りこむ事で、より精度の高い解析結果を得られる様になります。

メトロン技研は磁気測定の様々なアプリケーションを提供します。


ユニパルス株式会社
回転トルクメータ UTMⅡシリーズ

回転トルクメータUTMⅡシリーズ
UTMⅡは、高精度・高安定性・高耐久性を同時に実現したアンプ内蔵型スリップリングレス回転トルクメータです。

  • 0.05Nm~10000Nmまで17機種をラインアップ
  • アナログ帯域1kHzの高速応答
  • 許容過負荷500%
  • 1/10000の分解能
  • 最高回転速度25000rpm

モータのコギングトルク計測等でお悩みの方は是非ご相談ください。

最少開催人数/開催中止について

お申し込みが2名に満たない場合は中止させていただく場合がございます。また、講師の急病、事故、交通機関のストライキ、台風や地震等のため、やむを得ず休講または日程変更することがあります。予めご了承ください。その際は改めてご連絡申し上げます。

キャンセルについて

準備の都合上、お申込みの取り消しはセミナー開催初日の5営業日前までとさせていただきます。

お問い合わせ

こちらのページからお問い合わせください。

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