[JAC308] ベンチレーションによる冷却を考慮した三相誘導電動機の熱解析

 
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概要

ベンチレーションによる冷却を考慮した三相誘導電動機の熱解析
誘導電動機は構造が簡単で、安価、保守の手間が少ないという長所を持つため、産業用から家電製品に至るまで多く使われています。誘導電動機は、ステータ巻線の回転磁界により2次導体に誘導電流が流れ、その電流と回転磁界により2次導体が回転方向に力を受け回転するモータです。この際、誘導電流の影響でロータに大きなジュール熱が発生します。
誘導電動機のジュール損失や鉄損による温度上昇を正確に評価するためには、磁界解析で求めた損失密度分布を利用して熱解析で温度分布を求める連成解析が有用です。これにより全体的な温度分布や特に高温になる場所などを確認することができます。JMAGでは、ベンチレーションによる冷却を流れ回路および熱回路で表現できます。
ここでは、ベンチレーションによる冷却を考慮した誘導電動機の、ファンを変えた際の温度の違いを評価した事例を紹介します。

ファン特性

2種類のファンによる冷却結果を比較します。図1に使用するファン2種(ファンA、ファンB)の2,500(r/min)時のPQ特性、図2にファンによる空気の流れの概念図を示します。PQ特性は計算時には温度を評価する回転速度に合わせてスケーリングされます。

図1 PQ特性
図2 空気の流れの概念図

効率マップ、損失、温度、流量

図3に効率マップと温度を評価する動作点、表1にその動作点での損失、図4にファンごとのロータコアダクト、ステータコアダクト、ギャップ部を流れる空気の流量、図5に温度を評価する回転速度におけるPQ特性上の動作点、図6にファンごとの部品の温度変化を示します。
図3より、解析対象の効率を把握できます。高効率の動作点における温度を評価します。表1に示した損失値が熱源となり温度が上昇します。
図4より、流量はギャップ部が最も小さく、ステータコアダクトが最も大きいことがわかります。また、ファンA使用時よりもファンB使用時の方が流量が大きくなっています。
図6より、定常状態での温度はファンA使用時はかごが235(deg C)、コイルが134(deg C)、ファンB使用時はかごが163(deg C)、コイルが111(deg C)であることがわかります。ファンA使用時よりもファンB使用時の方が流量が大きくなったため、温度が低下しています。

図3 効率マップ
表1 損失
図4 流量
図5 PQ特性上の動作点
図6 温度変化

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