[W-MB-64] JMAG-RTにおける損失モデリング

目次
1. 背景
2. JMAG-RT PMSMモデルにおける損失モデリング
3. まとめ
4. 参考文献

1. 背景

モデルベースデザインのためのモータドライブシミュレーションには高精度なプラントモデルが必要である。JMAG-RTはFEAモデルから高精度プラントモデルを生成することが可能である。JMAG-RTモデルは機器定数の磁気飽和の影響や機械角依存性を表現することができる。また、鉄損をデータとして持つことが可能であり、駆動時の損失を評価することができる。本報告ではJMAG-RTモデルにおいて損失がどのようにモデル化されているかを解説する。

2. JMAG-RT PMSMモデルにおける損失モデリング

損失は大きく、銅損、鉄損、漂遊損、機械損に分けられる。JMAG-RTはそのうち銅損と鉄損を有している。銅損はコイル抵抗と電流値から計算される。鉄損はJMAGモデル生成時にFEAを用いて計算される。JMAG-RTモデル、特にPMSMは電流振幅、位相、機械ごとに機器定数を求めているため過渡的な渦電損失(磁石の渦電流損失など)は含まれていない。
PMSMモデルの鉄損はFEAを用いて電流振幅、位相、回転速度の依存性をもたせることが可能である。JMAG-RTモデル生成時には三相交流が適用される。そのためJMAG-RTモデルの鉄損情報には基本波および空間高調波による鉄損成分が含まれるが時間高調波成分は含まれない。図1にPWM駆動時のJMAG-RT PMSMモデルの鉄損を示す。モータドライブシミュレーションで得られたPWM駆動時の電流波形をFEAモデルに投入し鉄損を計算した結果(FEA(PWM))と比較を行った。FEAモデルに高調波電流を投入した場合、高調波鉄損が考慮されるため損失が増加する。一方JMAG-RTモデルはFEAモデルに理想的な正弦波電流波形を投入した場合と同等の値を示している。(続く)

図1 PWM駆動時のJMAG-RT PMSMモデルの鉄損

8極48スロットIPMモータのPWM駆動時の損失。評価動作点は1200rpm、電流振幅250A、電流位相0度、キャリア周波数6kHz。FEA(IDEAL)は正弦波電流波形を投入した結果、FEA(PWM)はモータドライブシミュレーションで得られた電流波形を使用して計算した鉄損値。高調波の影響で渦電流損失が増加していることが確認できる。

図4 誘導機効率マップ

誘導機の効率マップ生成時はT型等価回路を用いる。そのため無負荷鉄損、漂遊負荷鉄損を含めた形で損失を評価することが可能。

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