2023年8月、JMAG-Designer Ver.22.2をリリースしました。
Ver.22.2では、3次元解析の計算速度を向上させています。また、JMAG-Expressの計算速度向上と形状の利用範囲拡大を行いました。ここでは本バージョンにおける機能向上を含め、新機能の一部をピックアップしてご紹介します。
50~100万要素程度の中規模モデルの磁界解析の並列計算速度が向上します。実績として、非並列対比をVer.22.1と比べたときに、512並列・50万要素のモデルでは110倍から159倍、512並列・100万要素のモデルでは142倍から195倍に高速化しています。
3次元磁界解析で直接法を使用できます。渦電流問題を扱う場合のように反復法では収束しにくいモデルについて、直接法を使用することで比較的短時間で解を得ることができます。FEMコンダクタを使用したモデルの例では、直接法は反復法の半分以下の時間で計算が終了します。
JMAG-Expressの熱設計シナリオの計算速度が向上します。評価実行ボタンをクリックした後に直ちに部品の温度履歴を確認できます。実績として、8極24スロットのSPMモータは1秒、8極48スロットのV字磁石IPMモータは2秒で結果を確認できます。そのため、8極24スロットのSPMモータは、理想的にはケース数10,000の多ケース計算が3時間弱で終了します。
お手持ちのCADデータを使用してJMAG-Expressのプリインストールシナリオを実行できます。JMAG-Expressに任意の形状のCADデータを読み込み、画面に表示される案内に従うことで、プリインストールシナリオを実行するための設定が完了します。設定が完了すれば、そのまま評価を実行できます。
ぜひ新しいJMAGをご活用ください。
注目機能
1. 3次元解析の並列計算
高並列計算時のスケーラビリティを向上しました。
モデル規模ごとのスケーラビリティ
複数モデルで計測したスケーラビリティを要素数ごとに平均化しました。全体的に256並列以上で、非並列に対する速度向上比が伸びています。特に50~100万要素において速度が向上しています。
2. 3次元磁界解析における直接法のサポート
反復法で収束しにくいモデルでも安定した計算時間で求解できます。
反復法で収束しにくい計算と直接法の効果
FEMコンダクタ、プレイモデル、角度ごとのBHカーブ使用時は反復法で収束しにくい場合があり、計算時間がかかる課題がありました。この例では、直接法を使用することで計算時間が半分以下に削減されています。
3. 熱設計シナリオのパフォーマンス向上(JMAG-Express)
パラメータ変更から結果確認までの時間を短縮できます。
熱設計シナリオの操作画面とTAT
評価ボタンを押してから結果が表示されるまでの時間(TAT)を測定しました。「クーリングジャケット(非定常)」シナリオの8極24スロット(PMモータ)で、ステップ数は20としています。Ver.22.2では1秒まで時間を短縮しています。
4. CADデータ使用時の設定サポート(JMAG-Express)
初心者でもユーザー定義形状を使用できます。
ユーザー定義形状使用時のウィザードによる案内
ユーザー定義形状としてCADデータを読み込み、プリインストールシナリオを実行します。ウィザードが起動し、案内に従って部品の関連付け、磁石の磁化方向などを設定します。
- JMAG-Express
- 関連する機能紹介動画:ユーザー形状を使用したJMAG-Expressによるモータの性能評価
バージョンアップ資料
詳細等は、以下の新機能紹介をご覧ください。(PDF 1.65MB: ユーザー認証あり)
ドキュメント
JMAGの新機能の使い方、サンプルデータをご用意してます。JMAGの様々な機能をぜひともお試しください。
JMAG-Express
効率マップ解析
トポロジー最適化
HPC環境を利用した多ケース計算
モジュールダウンロード
JMAGシリーズのモジュール最新版がいち早く取得できます。
その他、バージョン情報、リリースノート、マニュアルなどご利用いただけます。( ユーザー認証あり)
新機能紹介動画
JMAG-Designer Ver.22.2をよりご活用いただくため、音声付きの動画をご用意いたしました。