JMAG-Designer Ver.20.1 リリースのご案内

2021-05-13 / 最終更新日:2021-06-15

2021年5月、JMAG-Designer Ver.20.1をリリースしました。

JMAG-Designer Ver.20.1では、引き続きソフトウェアパフォーマンスの強化に取り組んでいます。パラメトリック解析や最適化などの多ケース計算は、多コアを使用した分散処理を行うことで設計期間にミートする計算時間を実現します。詳細な計算で求められる大規模モデルに関しては、メッシャの高速化、プレイモデルの並列計算対応を行いました。また、プリポストの処理時間を短縮し、ストレスフリーな設計環境を提供します。

汎用的な機能としては、解析パラメータビューのカスタマイズ性を高め、設計変数の設定から結果評価までを1画面で迅速に実施できるようにしました。マルチフィジックスでは磁界、熱、構造の三連成解析に対応し、シミュレーションの推定精度をさらに向上させます。モータ設計に関しては形状ライブラリの拡充、効率マップスタディやJMAG-RTの強化を進め、モデル作成の効率化や多面的な評価を実現しています。

ご紹介しきれないほど多くの機能強化が含まれています。ぜひ新しいJMAGをご活用ください。

注目機能

1. 大規模モデル使用時のパフォーマンスを向上

面の数が多いモデル、千万要素規模のモデルの処理時間が削減されます。

JCFファイルの読み込みに30分以上かかっていたモデルの処理時間が劇的に削減されました。条件設定パネル表示およびメッシュのハイライトは最長でも30秒程度まで短縮しています。

GUI操作およびファイルI/Oの処理時間GUI操作およびファイルI/Oの処理時間

2. メッシュ細分化の処理時間を削減

大規模モデルのメッシュを短時間で生成できます。

メッシュ生成に5分以上かかっていたモデルについて、Ver.18.0とVer.20.1のメッシュ生成時間を比較しました。要素数が多いほど高速化されます。

メッシュ生成の速度向上メッシュ生成の速度向上

3. 効率マップに走行モードの入力機能を追加

走行時のモータ効率や損失を評価可能です。

EVの駆動用モータは広範な動作域での特性を評価します。左図は効率マップ上にWLTCモード走行時の動作点とクラスタポイントを描き、右図は効率履歴を示しています。それぞれの情報から平均効率や消費エネルギーなどが計算でき、応答値として使用できます。

WLTCモード走行時の動作点、クラスタポイントの評価WLTCモード走行時の動作点、クラスタポイントの評価

4. 次数低減モデルを用いた設計空間の絞り込み

JMAG-Designer単体で設計空間の絞り込みが可能です。

1つのモデルに対して1段目と2段目のスタディを用意します。1段目のスタディで最適化を実行し、最終世代の各設計変数範囲を取得します。それを用いて2段目の設計探索を行うことで、実行可能領域付近を効率的に探索することができます。

多段階最適化のワークフロー多段階最適化のワークフロー

5. レンジファインダーを正式導入

成立形状が得られにくいモデルで有効な形状を短時間で生成できます。

形状の設計変数が15個のモデルでパラメータ最適化を想定します。従来のランダムサーチにて、形状成立率は0.1(%)でした。レンジファインダーは寸法範囲の探索、予測モデルの作成、ケース生成を行います。この例では成立形状150個を得るための時間が60時間から30分に短縮されました。

最適化初期世代の成立形状を得るために要した時間最適化初期世代の成立形状を得るために要した時間

6. トポロジーとパラメータの同時最適化に対応

トポロジーとパラメータが強く影響する設計探索に適用可能です。

ステータティースの先端とロータ全体を設計領域とし、ロータ側は鉄、空気、磁石の3材料でトポロジーを探索します。その際、磁石の磁化ベクトル(MagX, MagY)を変数化しており、最適な磁化方向も同時に探索することができます。

IPMモータのトポロジーと磁化方向の最適化IPMモータのトポロジーと磁化方向の最適化

7. 3連成解析で考慮できる物理現象を拡充

3連成解析を適用可能なアプリケーションが拡大しました。

Ver.20.1では考慮できる物理現象として赤字の箇所が追加されました。磁界解析、熱解析で運動を考慮しつつ構造解析との連成が可能となりました。構造解析では磁界解析の電磁力を荷重として変位・応力を評価できます。また、部品同士の接触をモデル化できるようになりました。

解析タイプと受け渡す物理量解析タイプと受け渡す物理量

8. JMAG-RT損失マップモデルを追加

JMAG-RTモデルを用いたシステムシミュレーションが可能になりました。

コントローラに走行モードの車速履歴を入力し、モータ回転数と負荷トルクを出力します。モータモデルはそれらの情報を受け取り、損失マップを参照して損失値を出力します。出力された損失値は熱モデルで発熱源として使用され、部品温度のヒストリを確認することができます。

電気自動車走行時のモータ温度評価電気自動車走行時のモータ温度評価

バージョンアップ資料

詳細等は、以下の新機能紹介をご覧ください。(PDF 3.05MB:  ユーザー認証あり)

JMAG-Designer Ver.20.1 新機能紹介 

ドキュメント

JMAGの新機能の使い方、サンプルデータをご用意してます。JMAGの様々な機能をぜひともお試しください。

ソルバー

パラメトリック、最適化

効率マップ

JMAG-RT

ユーザーインターフェース

モジュールダウンロード

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その他、バージョン情報、リリースノート、マニュアルなどご利用いただけます。( ユーザー認証あり)

モジュールダウンロード 

新機能紹介動画

JMAG-Designer Ver.20.1をよりご活用いただくため、音声付きの動画をご用意いたしました。
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JMAG-Designer Ver.20.1 新機能紹介動画 

JMAG-Designer Ver.16.1 – Ver.23.1のご紹介

これまでにリリースされたJMAG-Designerの記事をご覧いただけます。