JMAG-Designer Ver.22.0 リリースのご案内

2022-12-21

/ 最終更新日:2022-12-21

2022年12月、JMAG-Designer Ver.22.0をリリースしました。

寸法最適化の課題である形状破綻を回避し、最適化計算に必要な個体数を100%得られるようになりました。寸法範囲を適切に調整しつつ、最適化計算に必要な成立形状を確保するレンジファインダー機能を使用できます。寸法変数が20個以上あるような複雑な形状に対して、幅広い設計空間を形状破綻なく探索して最適化計算を行えます。レンジファインダー機能はJMAGだけでなく、サードパーティ製の最適化ソフトウェアでも使用できます。

JMAG-Expressで、あらかじめ用意されたシナリオを組み合わせて効率マップや部品温度などのモータの多面評価を行えます。また、JMAG-Expressで高速な検討を行った後に1クリックでJMAG-Designerに切り替え、コイルエンドなどモデルを詳細化しても再びJMAG-Expressに戻り作業を継続できます。JMAG-Designer用プリポストライセンス1本につきJMAG-Express用プリポストライセンス10本を同梱しています。これまで解析を行っていなかった設計者も複数人が同時にJMAG-Expressを使用した設計を行えます。

モータの部品温度を高速に評価できるようになりました。熱解析が2次元形状に対応しました。非定常解析で計算実行から結果が表示されるまでの時間が5秒程度となります。

要素数10,000以下の2次元磁界解析の計算速度がVer.21.0に対し平均2倍以上向上しました。

要素数100万以上の大規模モデルの磁界熱連成並列計算速度がVer.21.0よりも向上しました。256並列計算時に速度向上比が100倍を超えるモデルが増加しました。

固有値解析の計算速度がVer.21.0よりも向上しました。Ver.21.0で計算時間が長かったものほど高速化されやすくなります。Ver.21.0で計算時間が20分以上のデータについては平均で5倍以上高速化しています。

ぜひ新しいJMAGをご活用ください。

注目機能

1. 最適化計算でのレンジファインダー利用

形状が成立する範囲を探索し成立形状を高速に取得できます。

レンジファインダーを用いた成立形状取得の仕組みレンジファインダーを用いた成立形状取得の仕組み

まずは成立形状が存在する範囲に寸法変数の上下限値を調整します。また、形状破綻を瞬時に判断する予測モデルを作成します。成立形状取得時は、予測モデルで形状の成立・破綻を高速に判定し、成立するもののみを実際に形状エディタで確認します。

関連する機能紹介動画

2. レンジファインダーの効果(寸法変数範囲の自動調整)

パラメータ最適化のパレートフロントを前進させられます。

寸法変数範囲とパレートフロントの比較寸法変数範囲とパレートフロントの比較

成立形状が得られにくい寸法変数50個のモータ形状を使用しました。レンジファインダーを使用した場合に寸法変数範囲が広がっていることから、初期値では設計空間を過小評価していることが分かります。最適化計算の結果をみると、レンジファインダーを使用することでパレートフロントが前進しています。

3. レンジファインダーのスクリプトインターフェース

サードパーティ製品の最適化計算でレンジファインダーを利用できます。

サードパーティ製品を使用した最適化計算フローサードパーティ製品を使用した最適化計算フロー

Ver.22.0ではレンジファインダー部分のみを実行するためのスクリプトインターフェースを実装しました。これより、サードパーティ製品を使用した最適化計算でも、JMAGの最適化計算時と同様にレンジファインダーを利用できます。

4. JMAG-Expressモード

1画面で仕様を設定し磁気設計と熱設計を同時に評価できます。

JMAG-ExpressモードとJMAG-DesignerモードJMAG-ExpressモードとJMAG-Designerモード

JMAG-Expressモードは設計にフォーカスしたインターフェースであり、ここでは効率マップと部品温度を同時に評価しています。表示される設計変数や評価項目は、JMAG-Designerモードで作成した効率マップ解析、熱解析スタディの内容が反映されています。

5. 速度優先スタディ、熱設計シナリオの2次元対応

モータ部品の温度履歴を高速に評価できます。

温度履歴と処理時間の比較温度履歴と処理時間の比較

非定常解析20ステップの計算を行い部品の温度履歴を評価しています。3次元を2次元にすることでファイル入出力が高速化されており、計算開始から結果表示までの処理時間は14(sec)から4(sec)未満に削減されました。ユーザー定義を含む任意形状でこの効果が得られます。

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6. 磁界解析の計算速度(2次元小規模モデル)

小規模モデルがVer.21.0対比で平均2倍以上高速化します。

要素数と速度向上比要素数と速度向上比

Ver.22.0ではファイルの入出力およびソルバーを高速化しました。要素数10,000以下のモデルで全体的に高速化しています。

7. 熱磁界連成解析の計算速度

多くのモデルで熱磁界連成解析が100倍以上高速化します。

256並列で計算した場合の非並列対比速度向上比256並列で計算した場合の非並列対比速度向上比

1ステップの計算時間が短いものは、全体に占める非分散処理の割合が多く速度向上比が得にくかったです。ここ数バージョンでその課題の解決に注力しており、Ver.22.0では非分散1ステップの計算時間が10(h)未満でも速度向上比が100倍を超えるモデルが増加しました。

8. 固有モード解析の計算速度

時間がかかっていた固有モード解析が高速化します。

Ver.21.0での計算時間と速度向上比Ver.21.0での計算時間と速度向上比

要素数や計算する固有モードの数が多い場合や高次要素を使用した場合に、計算時間が長くなる課題がありました。Ver.22.0ではVer.21.0での計算時間が長かったものほど高速化されやすい傾向があります。

バージョンアップ資料

詳細等は、以下の新機能紹介をご覧ください。(PDF 3.89MB:  ユーザー認証あり)

JMAG-Designer Ver.22.0 新機能紹介 

ドキュメント

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最適化

ソルバー

スクリプト

材料

モータ設計:JMAG-Express

モータ設計:回路・制御

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新機能紹介動画 

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JMAG-Designer Ver.16.1 – Ver.23.1のご紹介

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