2024年9月、JMAG-Designer Ver.23.2をリリースしました。
JMAGは設計の自動化に向けて開発を進めています。そのために、Ver.23.2ではさらに機能を向上させています。
ここではVer.23.2における機能向上と新機能をピックアップしてご紹介します。
最適化計算のパフォーマンスが向上します。最適化を1,000ジョブ分散実行した場合の実績として、CPU利用効率は平均75(%)(1ジョブずつの実行に対して平均で750倍の速度向上)を達成し、形状破綻を防ぎつつ広範囲を探査できるような寸法範囲を15分以内に導き出します。計算資源を効率的に活用し、設計空間を高速に探査できます。
JMAGの計算結果を使用し代理モデルを作成できます。作成した代理モデルはサードパーティアプリケーションで利用できます。利用方法の一つとして、出力や電圧の要求を満たすアキシャルギャップ型モータの形状を瞬時に得る、サイジングを行うことができます。
JMAG-Expressでモータ巻線の絶縁破壊の有無を評価できます。効率マップ、温度、応力と同時に絶縁破壊の有無を評価できることは、より多面的な評価を設計の初期段階で行えることを意味しますので、設計の手戻りを減らせます。
JMAG-RTで巻線界磁型同期モータのオープン巻線モデルを作成できます。回路・制御シミュレータで、PMモータだけでなく巻線界磁型同期モータについてもオープン巻線モータの制御検討を行えます。JMAG-RTの適用範囲がさらに拡大し、オープン巻線モータについてもシステムとの整合をとりながら設計プロセスを進めることができます。
ぜひ新しいJMAGをご活用ください。
注目機能
1. 小規模モデルに対する多ケース分散処理の高速化
1,000分散以上の最適化計算のパフォーマンスが向上しました。
最適化計算におけるCPU利用効率
最適化計算のプログラム改良を行い、同時実行数が多いときのパフォーマンスを改善しました。1,000同時実行で平均75 (%)、2,000同時実行で平均60 (%)のCPU利用効率を達成しています。1ケースあたりの計算時間は約30秒~340秒です。
2. レンジファインダー*の分散実行時間の短縮
最適化の規模によらず短時間で初期世代の成立形状が得られます。
100~1,000ジョブ同時実行時の実行時間短縮
同時実行ジョブ数(本ケースでは集団サイズと等しい)を増やしていくとレンジファインダーの処理速度が低下する問題を解消しました。1,000ジョブ規模であっても15分以下で処理を完了しています。
*最適化の寸法範囲を修正し初期世代の成立形状を取得する機能
3. 代理モデルの出力機能
代理モデルを利用したサイジングを行えます。
代理モデルを用いたAFMのサイジング
代理モデルは高速に応答値を予測できます。その特徴を生かし、電圧や出力などの要求を満たす寸法セットを即座に得られます。
関連するドキュメント
代理モデル作成機能をご利用の場合は、利用申請が必要となります。
代理モデル作成機能は、JMAG-Designer Ver.23.2新機能紹介をご覧ください。
ライセンスの申請はこちら ( ユーザー認証あり)
4. 絶縁設計シナリオの追加
多面的な評価により、設計の手戻りを削減します。
絶縁評価の有無によるパレートの違い
効率最大化、トルク最大化を目的関数とした最適化計算の結果を示します。点AとBを比較すると、絶縁評価を含めない点Aの方が効率が高いですが、絶縁破壊係数が1.89となり要件を満たしません。絶縁要件を満たすように巻線仕様を調整する必要がありますがモータ性能にも影響するため大きな手戻りが発生します。
5. 3相WFSMモデルのオープン巻線
共通電源方式のオープン巻線を利用した制御を検討できます。
共有電源型デュアルインバータの解析
出力が増加するとインバータ1台駆動(スター結線)では電流を制御目標に追従させることができなくなりますが、2台駆動(オープン巻線)に切り替えることにより制御が可能になります。
関連するドキュメント
バージョンアップ資料
詳細等は、以下の新機能紹介をご覧ください。(PDF 2.23 MB: ユーザー認証あり)
ドキュメント
JMAGの新機能の使い方、サンプルデータをご用意してます。JMAGの様々な機能をぜひともお試しください。
広域設計探査・最適化
多面評価
JMAG-Express
- SLS: PMモータ編 多面評価(JMAG-Express)
- [JAC290] 部品温度、応力、絶縁破壊の有無の評価を含めたIPMモータの設計探査
JMAG-RT
モジュールダウンロード
JMAGシリーズのモジュール最新版がいち早く取得できます。
その他、バージョン情報、リリースノート、マニュアルなどご利用いただけます。( ユーザー認証あり)
代理モデル作成機能をご利用の場合は、利用申請が必要となります。
代理モデル作成機能は、JMAG-Designer Ver.23.2新機能紹介をご覧ください。
ライセンスの申請はこちら ( ユーザー認証あり)