JMAG-Designer Ver.24.1 リリースのご案内

2025-04-28

2025年4月、JMAG-Designer Ver.24.1をリリースしました。

JMAGは設計の自動化に向けて開発を進めています。そのために、Ver.24.1ではさらに機能を向上させています。特に、モータの温度評価機能を大きくバージョンアップしました。

ここではVer.24.1における機能向上と新機能をピックアップしてご紹介します。

多数の設計案を蓄積するデータベース機能と、設計案の比較・評価を可能にするツール「JMAG Design Explorer」を提供します。解析内容は自動的にデータベースに蓄積されます。蓄積された情報や過去の解析資産をJMAG Design Explorerで一括評価し、機種をまたいだ設計案の中から最適なものを絞り込むことができます。

モード走行、連続定格運転時の温度を評価できます。効率マップ解析と熱解析を自動的に連成することで、モード走行における温度上昇に伴う損失の変化を考慮し、モータ各部の温度を評価できます。また、連続定格運転時の温度上昇を考慮したN-Tカーブや効率マップを描画できます。これらの評価を高精度に行い、かつモデルを簡単に作成できるように熱回路機能を強化しています。冷媒の温度変化を考慮し、シャフト冷却やクーリングジャケットについて、より実機に近い冷却状態を再現できます。また、パラメータ設定のみで利用可能なモータのベンチとベアリングの熱回路素子を提供します。

システムシミュレーション向けの熱回路モデルを生成できます。JMAGで作成・解析した熱回路をMILS(Simscape)モデルに1クリックで変換でき、JMAG-RTモデルを熱源とした熱システムシミュレーションが容易に行えます。

アキシャルフラックスモータの設計案を探査できます。JMAG-Expressにアキシャルフラックスモータの磁気設計シナリオを追加したことで、極数・スロット数も設計変数に含めた設計探査が可能です。

ぜひ新しいJMAGをご活用ください。

注目機能

1. データベース

設計の知見を体系的に蓄積・活用するナレッジベースを提供します。

データベースの構築データベースの構築

パラメトリック計算や最適化によって得られた多数のデザインから、シミュレーションデータベースが自動的に作成されます。各機種のシミュレーションデータベースを集約することで、機種を横断した設計のナレッジを体系的に蓄積・活用できる環境を実現します。

2. JMAG Design Explorerによる最適デザインの探索

構築したデータベースの分析ツールを提供します。

最適デザインの探索最適デザインの探索

パラメトリック計算や最適化では多数のデザインが評価されます。上記のチャートは永久磁石モータと誘導電動機のWLTCモード走行効率とコストの関係を示しています。データベースから多数のデザインをフィルターなどで絞込み、最適なデザインを探索できます。

JMAG Design Explorerをご利用の場合は、利用申請が必要となります。
JMAG Design Explorerの詳細は、JMAG-Designer Ver.24.1新機能紹介機能チュートリアルをご覧ください。

ライセンスの申請はこちら  ユーザー認証あり)

3. 温度変化を考慮した走行モード計算

モード走行時の温度変化と温度変化を考慮した正確なモード走行電費などを算出できます。

温度変化を考慮した走行モード計算温度変化を考慮した走行モード計算

温度依存性を考慮した効率マップ解析と非定常熱解析間で発熱と温度をやり取りする連成解析を自動的に行います。モード走行時のコイルや磁石の温度履歴が見られるとともに、温度上昇によるモード走行パフォーマンスへの影響が把握できます。

4. 温度制約を考慮したN-T、効率マップ計算

連続定格条件を考慮してN-Tカーブ及び効率マップの計算が可能です。

温度制約を考慮したN-T、効率マップ計算温度制約を考慮したN-T、効率マップ計算

モータが出力できるパフォーマンスはコイルや磁石の温度で制約されます。コイルや磁石の許容温度を考慮して連続定格条件を算出します。この例では制約を設けない場合(左)とコイルの温度を140(deg C)、磁石の温度を180(deg C)で制約した場合(右)を比較しています。シャフト冷却の冷却力が低下する極低速でトルクが低下しています。

5. 熱回路強化(冷媒の温度変化考慮)

冷媒の温度が流入する熱量に応じて変化します。より実機に近い冷却状態を再現できます。

冷媒の温度変化を考慮したクーリングジャケット、シャフト冷却冷媒の温度変化を考慮したクーリングジャケット、シャフト冷却

シャフト冷却とクーリングジャケット(スパイラル型、軸方向型)はマクロ素子で提供し、パラメータ指定のみで利用可能です。 シャフトスプレー冷却も併せて追加されます。上記の例では、クーリングジャケットの入口からシャフトの出口までで最大15 (deg C)冷媒が温度上昇しています。

6. 熱回路強化(モータベンチの影響)

モータのベンチの熱回路素子(マクロ素子)を提供します。

モータベンチの熱回路の考慮モータベンチの熱回路の考慮

モータの温度の正確な評価にはモータのベンチの影響を考慮する必要があります。プレートを介して接続するフランジ型とベースによって台に設置するベース型を使用可能です。各所の寸法など設計パラメータの入力のみで熱回路素子を設置可能です。

7. 熱回路強化(ベアリングモデル)

シャフト外周とエンドキャップ内周間の伝熱の設定を簡略化できます。

ベアリングの熱回路モデルベアリングの熱回路モデル

ベアリングのマクロ素子を提供します。シャフトやベアリングの寸法を入力します。シャフトと内輪、および外輪とエンドキャップ間の接触抵抗など、パラメータの設定のみで利用可能です。摩擦による発熱も考慮されます。

8. システムシミュレーション向け熱回路モデルの生成

JMAG-RT モデルを熱源とした熱システムシミュレーションが容易に行えます。

MILSでの熱回路モデルの生成MILSでの熱回路モデルの生成

JMAGで作成、解析した熱回路をMILS(Simscape)モデルに変換できます。

9. アキシャルフラックスモータの磁気設計シナリオ

極数・スロット数を設計変数として設計案を探査できます。

極数・スロット数変更時の効率マップ極数・スロット数変更時の効率マップ

モータ体積、磁石体積、電流密度、占積率は同等として極数を変えた設計案を比較しました。16極18スロットの設計案のほうが効率マップの高効率領域が広がっています。

バージョンアップ資料

詳細等は、以下の新機能紹介をご覧ください。(PDF 1.88 MB:  ユーザー認証あり)

JMAG-Designer Ver.24.1 新機能紹介 

ドキュメント

JMAGの新機能の使い方、サンプルデータをご用意してます。JMAGの様々な機能をぜひともお試しください。

高速大域探査

多面評価

システム整合

高速計算

モジュールダウンロード

JMAGシリーズのモジュール最新版がいち早く取得できます。
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JMAG-Designer Ver.17.0 – Ver.24.1のご紹介

これまでにリリースされたJMAG-Designerの記事をご覧いただけます。