JMAG-Designer Ver.25.0 リリースのご案内

2026-02-04

2026年2月、JMAG-Designer Ver.25.0をリリースしました。

JMAGは設計の自動化に向けて開発を進めています。そのために、Ver.25.0ではさらに機能を向上させています。特に、幾何拘束の自動付与の機能強化、代理モデルを援用した最適化計算の高速化、モータの設計、評価機能(JMAG-Express)を大きくバージョンアップしました。

ここではVer.25.0における機能向上と新機能をいくつかピックアップしてご紹介します。

寸法最適化の実施には寸法拘束を付与することが必要です。Ver.25.0では新たにモータのステータや詳細設計時の複雑なロータ形状など、自動拘束の適用範囲を広げます。また、完全拘束とならなかった場合に完全拘束とするためのガイドラインを提供します。関連して、寸法拘束が適用されている箇所のハイライト機能を改善します。また、寸法拘束を付与せず、従属的に決まる設計変数を最適化の制約条件とすることができようになります。例としてIPMモータのブリッジ部の最低幅を設けることで強度を保ち、最適化計算の収束性を向上させます。

代理モデルを援用したオフライン最適化とオンライン最適化において、形状が成立するかどうかの判定も代理モデル(形状チェック代理モデル)で行うことで最適化計算を高速化します。また、寸法や材料の離散値の最適化においても代理モデルを援用した最適化に対応します。

モータからの音、振動の対策(NVH)には加振源の分析が重要です。Ver.25.0では二次元フーリエ変換により、加振源の時間、空間の次数成分の分析が可能です。

JMAG-Expressではユーザビリティが大きく向上します。例えば設計者の好みに合わせて設計変数、応答値の一覧表示をカスタマイズすることができます。また、評価項目を追加します。モータの特性として重要な電流位相とトルクや電圧の関係などを一覧で評価できます。アキシャルフラックスモータに熱設計のシナリオを追加します。

材料モデリング機能が強化されます。磁石のハルバッハ配列を簡単に定義できるようになります。分割数を最適化の設計変数とすることも可能です。超電導体の計算機能を引き続き強化しています。Ver.25.0では臨界電流密度の角度依存性の定義が可能となり、より実現象に忠実な解析が可能です。

他にも多数の機能向上と新機能追加を行っています。ぜひ新しいJMAGをご活用ください。

注目機能

1. 自動拘束機能の向上および寸法拘束のハイライト

適用範囲を概念設計向けから詳細設計まで拡張します。

自動拘束可能となった詳細形状の例自動拘束可能となった詳細形状の例

詳細設計用モデルではロータ表面の凹凸やフラックスバリアの詳細化、磁石の分割、ストッパーやダクトの追加など、より複雑な形状が含まれます。Ver.25.0ではこのような形状でも完全拘束となるように耐久性を向上しました。


自動拘束失敗時に問題個所と対処方法を瞬時に把握できます。

拘束不足図形のハイライトと対処方法のフローチャート拘束不足図形のハイライトと対処方法のフローチャート

このロータ形状ではV字磁石周りが完全拘束になっていないことがオレンジ色のハイライトより判断できます。フローチャートと各ステップのポイントに従うことで完全拘束の状態とすることができます。


視覚的に位置を確認しながら最適化の設計変数を選択できます。

最適化ダイアログと連動した寸法パラメータのハイライト最適化ダイアログと連動した寸法パラメータのハイライト

最適化ダイアログで寸法パラメータを選択すると、モデルビュー上で寸法拘束の位置がハイライトされます。方程式ダイアログやケース追加ダイアログなど、他のダイアログでもハイライトに対応します。

2. 従属寸法の最適化での利用

設計変数によって従属的に定まる寸法に制約条件を設定可能です。

ブリッジ部の最小幅に制約を課した最適化ブリッジ部の最小幅に制約を課した最適化

ブリッジ部の幅が他の寸法パラメータに依存して変化する場合でも、その最小幅を形状測定変数として制約できます。最小幅制約を課すことで、応力制約を満たす多数の設計が得られ、同世代数でのパレートフロントが高トルク領域周辺で進展しています。

3. 形状チェック代理モデルの導入

FEA代理モデルに加え、形状チェック代理モデルを導入します。

設計探査における代理モデルの利用設計探査における代理モデルの利用

これまで代理モデル援用最適化計算では、CADによる形状成立判定に時間を要していました。CADによる形状判定を形状チェック代理モデルに置き換えることで、オフライン最適化及びオンライン最適化のパフォーマンス改善が期待できます。

4. 形状チェック代理モデルによる最適化計算の高速化

形状チェック代理モデルを用いたオフライン、オンライン最適化計算の高速化の実例を示します。

CADを用いる手法との計算時間比較(左:オフライン、右:オンライン)CADを用いる手法との計算時間比較(左:オフライン、右:オンライン)

オフライン最適化の例ではIPMモータの磁石面積の制約条件を設けた最適化計算を6秒程度で実行できています。オンライン最適化の例では形状確認にCADを用いた最適化計算に比べて7倍の速度向上効果が得られました(10世代おきにFEAを実施することで、FEAのみの最適化に比べて2.5倍の速度向上)。

5. 代理モデル援用最適化計算の利用範囲拡大

材料を含む離散値を設計変数とする最適化が実用的な時間内で完了します。

コア材料と形状寸法を設計変数とした最適化計算コア材料と形状寸法を設計変数とした最適化計算

ロータとステータのコア材料を3種類それぞれ変えた9通りの材料組み合わせに対して、鉄損と材料コストのトレードオフを一度の最適化計算で評価することができます。ステータコアに低鉄損材(アモルファス、ナノ結晶)が採用された場合、ステータコアのサイズが小さい特徴的なデザインが得られました。また、代理モデル援用最適化計算を利用することで、FEAのみの最適化計算に比べて、最適化計算時間が1/2に短縮されました。

6. NVH評価方法の提供(二次元フーリエ変換)

振動の要因となる磁束や電磁力の空間、時間成分を分析できます。

ステータに働く電磁加振力の成分分析ステータに働く電磁加振力の成分分析

ステータに働く電磁加振力の成分を把握するため、電磁力密度波形の周波数および波数成分を表示。振動に寄与する電磁力成分の分析に利用可能。例では8極48スロットのモータであり、時間:2次(960Hz)と空間:-1次(45deg、逆相)の成分が大きいことがわかります。また、スロット数に起因する成分も確認できます。

7. JMAG-Expressのユーザビリティ向上の例

設計変数、応答値の一覧表示をカスタマイズ可能です。

設計変数、応答値の一覧表示のカスタマイズ設計変数、応答値の一覧表示のカスタマイズ

この例では名称に”Torque”を含む設計変数、応答値のみに絞って表示し、視認性を向上させています。

8. 応答値テーブルのグラフ

機器定数シナリオ実施時にモータ特性を同時評価できます。

機器定数シナリオに追加されたモータ特性機器定数シナリオに追加されたモータ特性

効率マップやNTカーブに加えて、位相-トルク特性、電流-トルク特性、位相-電圧特性を評価することができます。このモータでは高負荷時に位相54deg付近でトルクが最大化されること、電流250Aでの最大トルクは180Nm程度であること、5,000回転では位相20degで電圧600Vとなることなどが読み取れます。

9. ハルバッハ配列対応

パラメータのみでハルバッハ配列を設定可能です。

SPMモータのハルバッハ配列の例SPMモータのハルバッハ配列の例

着磁パターンにハルバッハ配列を提供。この例ではSMPモータ(8極数)に対し、極あたりの分割数を2と3に設定した場合を示しています。各設定に対して適切な着磁方向が得られています。

10. より実際の現象に忠実な超電導解析

超電導特性の臨界電流密度の角度依存性に対応します。臨界電流密度の出力にも対応し、超電導体の負荷状態の分析が可能です。

角度依存性を考慮した超電導解析角度依存性を考慮した超電導解析

ダブルパンケーキコイルを対象に超電導解析を実施。臨界電流密度の角度依存性を考慮したとき、コイル端部付近で臨界電流密度が低下します。これはコイル端部付近では磁束の向きが変わり臨界電流密度が低下するためです。

バージョンアップ資料

詳細等は、以下の新機能紹介をご覧ください。(PDF 3.35 MB:  ユーザー認証あり)

JMAG-Designer Ver.25.0 新機能紹介 

ドキュメント

JMAGの新機能の使い方、サンプルデータをご用意してます。JMAGの様々な機能をぜひともお試しください。

高速大域探査

多面評価

設計者展開

システム整合

材料

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JMAG-Designer Ver.17.0 – Ver.25.0のご紹介

これまでにリリースされたJMAG-Designerの記事をご覧いただけます。