[W-MO-85] 高調波損失を考慮した効率マップ評価

目次
概要
1. 背景
2. 提案手法
3. 解析対象
4. 効率マップの算定および動作点の選定
5. 連成解析
6. 損失と効率の分析
7. 計算時間
8. まとめ
9. 参考文献

概要

永久磁石同期モータや誘導電動機はインバータで駆動され、スイッチングによる電流高調波の影響によりモータの鉄損が増加する。また、コイル素線に角線を用いるとモータの高回転側では素線内で電流が偏り、銅損が増加する(AC銅損)。
本稿では電磁界解析・回路・制御の連成解析によりキャリア高調波とAC銅損の影響を考慮し効率を算定する方法を提案した。キャリア高調波とAC銅損の影響を考慮することで、低速、低トルクの動作点ではコアの鉄損が1.9倍に増加、高速の動作点では銅損がDC銅損のみの場合の4倍に増加し効率が大きく低下することを示した。

1. 背景

電磁機器の高効率化に伴い電磁界解析において損失解析の高精度化が重要な課題となっている。永久磁石同期モータや誘導電動機は可変速運転のためにPWM方式などのインバータで駆動されることが多い。インバータはモータの電流にキャリアに由来する時間高調波成分(以下キャリア高調波)を生じさせ、鉄損を増加させることが知られている。また、占積率、絶縁耐性向上等の目的で角線によるヘアピンコイルの採用例が増えている。角線を用いるとモータの高回転側では素線内で電流が偏り、銅損が増加することが知られている(AC銅損)。可変速運転を行う回転機の効率を精度よく算定するためにはキャリア高調波とAC銅損を考慮することが重要である。本稿では電磁界解析・回路・制御の連成解析によりキャリア高調波とAC銅損の影響を考慮し効率を算定する方法を提案する。

2. 提案手法

図1に材料測定から解析までの流れを示す。プロセスは簡易的な効率マップの算定、動作点の決定、連成解析からなる。


図1 キャリア高調波、AC銅損の影響を考慮した効率算定のプロセス
キャリア高調波とAC銅損の有無によって最高効率を与える電流ベクトルは変わらないと仮定している

最初に効率を算定する動作点を決定するため、プラントモデルを用いた効率マップの算定を行う。ここではインバータのキャリア高調波およびAC銅損を考慮せずに効率を求める。次にキャリア高調波、AC銅損を考慮した効率を算定する動作点をいくつか選択する。これは(続く)


効率マップと選択した動作点


連成解析の仕組み

電流ベクトル制御部はモータより電流を受け取り、電圧指令値をインバータに入力する。

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