JMAG-Designer Ver.25.1 リリースのご案内

2026-06-01

2026年6月、JMAG-Designer Ver.25.1をリリースしました。

JMAGは自動設計の実現に向けて開発を進めています。そのために、Ver.25.1では「高速大域探査」「多面評価」「設計者展開(JMAG-Express)」「システム整合」「高速計算」「材料」の各領域で機能を強化しました。ここではVer.25.1における機能向上と新機能をいくつかピックアップしてご紹介します。

高速大域探査では、代理モデルを援用した最適化計算をさらに高速化します。新たに追加するランダム標本生成機能では、形状判定を行いながら必要数の標本を効率的に生成できるため、形状の成否を気にせずに代理モデル学習用のデータを準備できます。オンライン最適化は処理の改善と代理モデル実行世代数の自動決定手法の導入により、Ver.25.0から計算時間を30%削減しました。多面的最適化では、磁界、構造、電界、熱解析で形状が異なる解析グループに対する最適化において、形状破綻を回避しながらパレート最適解に速く到達します。また、解析グループを用いた材料の離散最適化が可能となりました。材料と寸法を同時に最適化することで、材料ごとに個別に最適化を行う場合に比べて最適化の計算ケース数を削減できます。JMAG Design Explorerでは、クラスタリングと平行座標プロットによる分析が可能となり、最適化計算の大量のデザインから設計変数-目的関数の関係を直感的に把握できます。

多面評価ではモータの熱設計の機能を大幅に強化しました。新たな熱モデル設定画面は設定パネル、冷媒経路ビュー、熱モデルビューで構成され、視覚的に確認しながら冷却機構をモデリングできます。冷媒経路エディタのカスタム機能により、多様な冷却機構をカバーします。

モータの設計、評価を可能とするJMAG-Expressではユーザビリティがさらに向上します。マルチウィンドウ表示によりモデル、回路、巻線仕様、結果を一目で確認できます。グラフウィンドウでは電流位相ごとの電流-トルクグラフから最大トルク-電流グラフを抽出するなど、設計者の評価スタイルに合わせたグラフのカスタマイズが可能です。

システム整合では、JMAG-RTのRTTファイル生成時のファイルI/Oの削減・非同期化により、6相PMSMモデルの生成時間を約20%短縮するとともに、生成時の瞬間最大ディスク使用量を1/2に削減しました。

詳細設計段階では、FEMコンダクタ使用時の三次元解析のICCG求解の収束性を大幅に向上させ、素線の詳細モデリングなど、これまで収束せず解けなかった計算が実用的な時間で解けるようになりました。

材料関係では、高温超電導体の異方性を表面形状から直接定義できるようになりました。複雑な螺旋形状のCORCケーブルコイルなどでも、ワイヤー表面を選択するだけで臨界電流密度の異方性方向を正確に定義でき、より実現象に忠実な解析が可能です。

その他、エラーケースの再実行、HTMLヘルプ化、JMAG-ExpressのGUI中国語対応など、多数の機能向上と新機能追加を行っています。ぜひ新しいJMAGをご活用ください。

注目機能

1. FEMコンダクタ使用時の解析時間短縮

三次元解析においてFEMコンダクタ使用時の収束性を向上

スパイラルインダクタモデルの反復求解収束性向上スパイラルインダクタモデルの反復求解収束性向上

三次元解析において素線の渦電流損失を考慮する場合、FEMコンダクタを使用することが多く、その際に発生していたICCG求解における収束性の悪さを回復した例を示します。従来法では残差が減らず解けなかった解析でも、少ない反復回数で収束に至ります。周波数応答解析および過渡応答解析の両方で効果を発揮します。

2. モータの熱解析ビューの導入

視覚的に確認しながら冷却をモデリング

熱モデル設定画面と自動生成された熱回路熱モデル設定画面と自動生成された熱回路

熱モデル設定画面は設定パネル、冷却経路ビュー、熱モデルビューで構成されます。設定パネルの内容は冷却経路ビュー、熱モデルビューに反映され、条件や熱回路が自動生成されます。冷媒経路ビューを更新すると熱モデルビューも連動して変わります。


カスタム機能により様々な冷媒機構をカバー

冷媒経路のカスタマイズ冷媒経路のカスタマイズ

元の冷媒経路は流入口が1つであり、軸心冷却後にクーリングジャケットを流れ、ハウジングスプレーへとつながっています。更新した冷媒経路では流入口が別れており、ハウジングスプレー、シャフトスプレー後に流出口に流れています。

3. オンライン最適化計算の高速化

代理モデルを援用したオンライン最適化の計算時間を短縮

同程度のパレートフロント品質が得られるまでの計算時間の削減同程度のパレートフロント品質が得られるまでの計算時間の削減

代理モデルを援用したオンライン最適化では、代理モデルを援用しない最適化に比べて短時間で同等のパレートフロントに達します。Ver.25.1ではオンライン最適化の処理を改善し、Ver.25.0から更に計算時間を短縮しました。また、最適化実行中に代理モデル実行世代数を自動決定する手法を導入しました。

4. 代理モデルの学習データ作成支援機能

モデル形状の成否を気にせず必要数の標本(学習データ)を生成

形状判定を考慮したランダム標本生成形状判定を考慮したランダム標本生成

従来のケース追加機能を使用した標本生成では、作成したケースの中に不成立形状も含まれるため、必要数の標本を得ることが困難でした。ランダム標本生成機能では、形状判定を行いながら必要数の標本を生成します。

5. 多面的最適化の適用範囲拡大

磁界、構造、電界、熱解析でモデル形状が異なる最適化計算に対応

磁界解析および電界解析の解析グループに対する最適化磁界解析および電界解析の解析グループに対する最適化

形状が異なるスタディを含む解析グループの最適化計算で形状破綻を回避できるようになりました。さらに代理モデルを用いることで最適化の収束を加速することが可能です。


マルチフィジックス材料最適化が可能

DCリアクトルの鉄心材料の最適化DCリアクトルの鉄心材料の最適化

インダクタンスと温度を同時に評価しながら鉄心材料と形状を最適化しました。それぞれの材料で個別に形状最適化を行うよりも、同じ計算コストでより良い設計案が得られました。

6. JMAG Design Explorer におけるデータ解析

パラメトリック解析や最適化によって得られた大量の結果を効率的に分析

クラスタリングと平行プロットによる分析クラスタリングと平行プロットによる分析

アキシャルフラックスモータの設計探査の例を紹介します。左図は、クラスタリング結果とパレート曲線を示しています。右図は、各クラスタを平行座標プロットで表示しています。例えば、高トルク/高鉄損のCluster2(赤)と低トルク/低鉄損のCluster5(水色)とでは、設計変数「MagOutR」と「Ratio」が逆相関関係であることが分かります。

7. 設計向けツールJMAG-Expressのアップデート

マルチウィンドウ表示でモデルと結果を一目で確認

IPMモータのモデルと結果の同時表示IPMモータのモデルと結果の同時表示

モデル形状をメインウィンドウ、回路、巻線仕様、結果を別ウィンドウで開き並べて表示可能です。


設計者の評価スタイルに合わせてグラフを出力

最大トルク-電流グラフを用いたモータ特性の評価最大トルク-電流グラフを用いたモータ特性の評価

電流位相ごとの電流-トルクグラフから、各電流に対して最大となるトルクのみを抽出しています。さらにX軸とY軸を転置することにより、最大トルク-電流グラフを描画。モータの特徴を単一のラインで表現することで、機種比較時の視認性向上も期待できます。

8. 超電導体における異方性定義

高温超電導体の異方性を表面形状から直接定義

CORCケーブルコイルの解析CORCケーブルコイルの解析

超電導体の臨界電流密度の異方性の方向を、ワイヤー表面を選択するだけで割り当てられます。これにより、複雑な螺旋形状であっても正確な定義が可能となります。異方性材料特性の基準方向は指定された表面から自動的に計算されます。

バージョンアップ資料

詳細等は、以下の新機能紹介をご覧ください。(PDF 2.70 MB:  ユーザー認証あり)

JMAG-Designer Ver.25.1 新機能紹介 

ドキュメント

JMAGの新機能の使い方、サンプルデータをご用意してます。JMAGの様々な機能をぜひともお試しください。

高速大域探査

多面評価

材料

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JMAG-Designer Ver.17.0 – Ver.25.1のご紹介

これまでにリリースされたJMAG-Designerの記事をご覧いただけます。