JMAG-Designer Ver.25.2 リリースのご案内

2026-10-07

2026年10月、JMAG-Designer Ver.25.2をリリースしました。

JMAGは、自動設計の実現に向けて開発を進めています。Ver.25.2では、その実現に向けて、「高速大域探査」「多面評価」「設計者展開(JMAG-Express)」「システム整合」「高速計算」「材料・アプリケーション」の各領域で機能を強化しました。ここでは、Ver.25.2で向上した機能や新たに追加された機能の紹介と、その中からいくつかをピックアップしてご紹介します。

  • 高速大域探査
    最適化では、極数・スロット数と寸法パラメータを同時に最適化することで、極・スロットの組み合わせごとに個別に最適化する場合と比べ、同じ計算ケース数でより良いパレートフロントを得ることができます。自動拘束のアルゴリズムも改良し、複雑な形状でも形状を壊すことなく、広い範囲を探索できるようになりました。新しい通過点型スプラインでは、通過点を動かすだけで滑らかな形状を直感的に作成できます。通過点の座標を設計変数とすることで、幅広い形状探索も可能です。これら最適化における多ケース計算を支えるJobSystemにおいてもWindows版の分散実行の安定化を図っています。また、代理モデルのFMI対応により、MILS/HILS環境との接続が容易になりました。代理モデルを用いて高速に最適化を実行するツール「JMAG-SBO」も新たに提供します。
  • 多面評価
    モータの熱設計機能をさらに強化しました。熱モデルの結果をモータビュー上に表示できるようになり、各部位の温度や部品間の温度差をひと目で確認できます。JMAG-Expressの熱解析2.5Dスタディは、1クリックで3Dスタディに変換でき、スプレー冷却などによる温度分布も手軽に評価できます。冷媒流量には時刻依存性や回転数依存性を設定でき、走行モードに応じた流量制御を考慮できます。巻線界磁型同期モータ(EESM)向けには、界磁コイルの温度制約を考慮したN-T・効率マップ計算、および走行モード計算に対応しました。
  • システム整合
    JMAG-RTのRTTファイル生成時におけるファイルI/Oを削減し、非同期化しました。これにより、多コアを使用する場合の生成時間をVer.25.1と比べて17%短縮しました。
  • 高速計算
    Ver.25.1で改善した反復法にMPPを導入することで、コイルエンドや積層コア内部の渦電流損失な度の大規模計算が実用的な時間で評価できるようになりました。
  • 材料・アプリケーション
    SuperPower(古河電工)、フジクラ、JASTECの超電導材料を材料データベースに標準搭載しました。手元に材料データがなくても、すぐに設計アイデアを検証できます。また、VIPER導体に代表される多層ツイスト構造のメッシュ作成も効率化しました。さらに、インピーダンスプローブにより、LCRメーターと同様に、インピーダンス、等価回路定数、Q値などの電気的特性を広帯域で取得でき、高周波デバイスの設計を支援します。
  • JMAG+AI
    JMAG+AIの取り組みとして新たに提供するJMAG Agent Skills(個別配布)を利用することで、AIエージェント(Claude CodeやCodexなど)がJMAGを自律的に操作し、自動設計に向けた解析業務を支援します。さらに、AIの知識源となる100を超えるスクリプトサンプルをスクリプトライブラリで公開しています。

このほかにも、変数・方程式の使用箇所の表示、材料データの追加、対応CADバージョンの拡充など、多数の機能向上と新機能の追加を行っています。ぜひ新しいJMAGをご活用ください。

注目機能

1. 代理モデルの活用

JMAGの代理モデルを用いて、高速な最適化計算を実行することが可能

JMAG-SBOを用いた最適化JMAG-SBOを用いた最適化

3種類のモータの代理モデルでトルクの最大化、磁石体積の最小化を目的として最適化計算を実行しました。表示された各モータの結果を元に、要件を満たす設計案を絞り込みました。有力な設計案をcsvファイルに出力してJMAG-Designerでインポートし、トルクリプルの評価などの詳細検討を行うことができます。


FMIを用いてJMAG代理モデルを様々なMILS/HILS環境に接続

JMAG代理モデルを用いたWLTC走行モードにおける熱評価JMAG代理モデルを用いたWLTC走行モードにおける熱評価

モータの各動作点における損失情報をJMAG代理モデルとしてFMUファイルに出力します。MATLAB/SimulinkのFMU blockとして熱回路に接続し、WLTC走行モード運転時の部品温度の推移を評価できます。

2. 最適化計算における形状自由度の向上

複雑形状に対して変形自由度の高い寸法拘束を自動設定

自動拘束を利用した寸法最適化と得られた形状自動拘束を利用した寸法最適化と得られた形状

アルゴリズム変更により磁石のパラメータを変更しても形状が成立しやすくなりました。トルクの最大化と鉄損の最小化を目的関数とし最適化を行い、得られた形状を見ると大きく異なっており、複雑形状であっても広い設計空間中を探査できていることが分わかります。


滑らかな形状を手軽に作成し、最適化にも活用

通過点スプラインで作成したフラックスバリアと最適化結果通過点スプラインで作成したフラックスバリアと最適化結果

左図は通過点スプラインで作成したフラックスバリアの外形で、通過点を動かすだけで形状が追従し、狙いどおりの滑らかな形状を作成できます。右図は通過点座標を設計変数とした形状最適化の結果です。抜き出した3つはパレートフロント上の形状で、滑らかさを保ったまま大きく変化しており、幅広い形状探索ができています。

3. 多ケース、最適化計算の安定性向上

計算前の問題検出と計算中の自動復旧により計算停止リスクを低減

システムチェックと通信リトライシステムチェックと通信リトライ

システムチェック機能により計算開始前に接続の問題を検出できます。また通信のリトライ機能により一時的な通信障害によって計算が停止するリスクが低減され、長時間かかる計算の安定した実行が可能となります。

4. モータの温度分布の可視化

モータビュー上で各部位の温度や部品間の温度差を視認

モータビューと各部の温度モータビューと各部の温度

クーリングジャケットおよびスプレーを用いた場合の部品温度を示します。軸方向ビューのエアギャップを見るとロータ側が10 (deg C)高温となっており、軸心冷却による改善検討が必要なことが分かります。径方向ビューでは、スプレー(三角記号)が散布されているコイルの温度が下がっていることが分かります。


JMAG-Expressを起点とし容易に温度分布を評価

JMAG-Expressを起点とした温度分布評価JMAG-Expressを起点とした温度分布評価

JMAG-Expressでモデルを構築し、2.5Dスタディを1クリックで3Dスタディに変換。解析実行後に温度分布が得られます。この例ではコイルエンドのRear側のみスプレー冷却しており、軸方向に温度分布を持っていることがわかります。JMAG-Designer起点でも確認可能です。

5. 巻線界磁型モータ(EESM)の効率マップ

温度制約の下でEESMの運転特性を高速に評価

温度制約を考慮した巻線界磁型同期モータのN-T、効率マップ計算温度制約を考慮した巻線界磁型同期モータのN-T、効率マップ計算

3分間の短時間定格において、界磁・電機子コイルの許容温度上限(180 degC)に達する動作領域を可視化しました。これにより熱制約下で達成可能なN-T特性および効率分布を評価できました。10コアのPCを用いて、計算時間 57 minで結果を得ました。


EESMの走行モードにおける温度推移を高速に評価

WLTC走行モードにおけるコイル温度の推移WLTC走行モードにおけるコイル温度の推移

モータには複数の冷却手法(スプレー・クーリングジャケット・シャフト軸心冷却)を適用しました。初期温度 70 (deg C)に対し、電機子コイルの最高温度は 130 (deg C) 以下、界磁コイルは85 (deg C)となりました。解析結果を得るための計算時間は、10コアのPCを用いた場合、7 minでした。

6. 超電導体のアップデート

信頼性の高い材料データを活用した解析を実現

材料データベース材料データベース

主要メーカーであるSuperPower(古河電工)、フジクラ、JASTECの超電導材料を標準搭載しています。材料データ収集のハードルを無くし、手元にデータがない状態からでもすぐに設計アイデアを検証できます。


VIPER導体に代表される多層ツイスト構造のメッシュ作成を効率化

VIPER導体の電流分布解析VIPER導体の電流分布解析

多層テープ構造の超電導ケーブルにおける、ツイストの有無による電流分布の評価結果です。ツイストにより近接効果が低減し、導体中心付近の超電導層にも電流が分布しています。

7. JMAG+AI

認証不要のスクリプトライブラリがJMAGの自動化を支援

JMAGスクリプトライブラリJMAGスクリプトライブラリ

JMAGの幅広い操作をカバーする100を超える事例とAPIリファレンスを公開しています。ソースコードとともに概要や前提条件を掲載し、人にもAIにも理解しやすく構成しています。ソースコードは一括ダウンロード可能です。


AIエージェントがJMAGを自律的に操作し、解析業務を支援

AIエージェントによるコギングトルク解析の自律的改善AIエージェントによるコギングトルク解析の自律的改善

8極9スロットのモータのコギングトルクの波形を改善した例です。AIエージェントはJMAG Agent Skillsを参照して問題を把握、適切な機能の選択及びメッシュの調整を自律的に行い、コギングトルク解析の精度を向上させることができました。

バージョンアップ資料

詳細等は、以下の新機能紹介をご覧ください。(PDF 3.52 MB:  ユーザー認証あり)

JMAG-Designer Ver.25.2 新機能紹介 

ドキュメント

JMAGの新機能の使い方、サンプルデータをご用意してます。JMAGの様々な機能をぜひともお試しください。

高速大域探査

多面評価

アプリケーション

モジュールダウンロード

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モジュールダウンロード 

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JMAG-Designer Ver.17.0 – Ver.25.2のご紹介

これまでにリリースされたJMAG-Designerの記事をご覧いただけます。