ヤンマーホールディングス株式会社

2012年に創業100年を迎え、2015年に『A SUSTAINABLE FUTURE -テクノロジーで、新しい豊かさへ。-』という新たなブランドステートメントを策定。“未来に繋がる持続可能な資源の循環、社会を実現すること”をコンセプトに次の100年を見据え、技術開発を着々と進めています。

「電動化」という波に乗りチャレンジするべく、パワートレインセンターおよび中央研究所から様々な分野のスペシャリストを集めて、プロジェクトチームが編成されました。今回は、振動・騒音へのこだわり、またチームでの研究開発への取り組みについてお話を伺いました。

電動化という新しい波にチャレンジ。すべてはお客様の課題解決のために。

創業100年の間に、事業内容も様々に変化されたとお聞きしました。今現在の事業内容と御社の信念や特に力をいれていることを教えていただけますでしょうか。

朴氏:
弊社は1912年創業です。2021年3月末時点での売上規模は連結で7,823億円、従業員は約2万人以上となっています。ヤンマーグループの事業フィールドは非常に広く、大地(Ground)、海(Sea)、都市(City)で展開しております。みなさまによく知られているのは、エンジン事業と農業機械事業かと思いますが、それ以外にも建設機械事業、エネルギーシステム事業、マリン関連事業やトランスミッションなどのコンポーネント事業も手掛けています。
企業理念としてヤンマーは、2015年8月に『A SUSTAINABLE FUTURE -テクノロジーで、新しい豊かさへ。-』というブランドステートメントを策定しました。私もこういった精神に惹かれて入社しました。“未来に繋がる持続可能な資源の循環、社会を実現する”という、非常によいコンセプトだと思っております。この理念のもと、我々も次の100年、次世代に向けての技術開発を着々と進めています。

「最小の資源で最大の豊かさを実現する」ということですね。具体的にはどの様な活動となるのでしょうか。

朴氏:
これまでにヤンマーは優れたエンジンの製造を軸として、エンジンを搭載した産業機械の製造へと事業を拡大してきました。弊社は、エンジンを販売することを最終目的とはせず、お客様の課題を解決することを使命としています。この使命は、創業当時から今も変わっておりません。昨今は地球環境問題から、排ガス規制が厳しくなってきており、従来通りのエンジンをお客様にそのまま使い続けていただくことが困難になると予想されます。又、弊社としても温室効果ガスの削減を掲げています。こうした課題に対して解決を図るため、クリーンエネルギーの活用等、様々な技術開発に取り組んでおります。その中の一つが、電動化とハイブリッド化です。

電動化という課題を乗り越えるため、様々な分野の方が集結したチームだと伺いました。みなさんの担当業務について簡単にご紹介いただけますでしょうか。

原氏:
所属は技術本部パワートレインセンター第3技術グループです。主に電動ハイブリッド作業機用モータの先行試作設計から評価までを担当しています。

木村氏:
原と同じく、パワートレインセンター第3技術グループに所属しています。業務もほぼ同じで、モータの設計を担当しています。

朴氏:
同じくパワートレインセンター所属ですが、私はモータ設計ではなくモータを駆動する側、モータの制御を含めパワーエレトロニクス全般を担当しています。

阿部氏:
所属はヤンマーホールディングス技術本部の中央研究所 基盤技術研究センター ダイナミクスグループです。主に、振動・騒音の解析と実験を行っています。今はモータの電磁力の解析や振動の計測を担当しております。

溝田氏:
同じく中央研究所 基盤技術研究センター ダイナミクスグループに所属しております。所属部署はヤンマー製品全体の振動・騒音・熱流体などに関わる課題に取り組んでいる部署になります。入社して以来、これら全般の解析、実験業務を担当しています。

ご所属のパワートレインセンターと中央研究所というのは、御社の中でどのような位置付けなのでしょうか。

原氏:
いずれもヤンマーグループの研究開発におけるコアセンターという位置付けになります。中央研究所は、ヤンマーの商品やサービス全般に関する基盤技術、生産技術、品質解析、バイオ技術に関する研究開発に取り組んでおります。一方、パワートレインセンターは、将来を見据えたヤンマー製品の電動、ハイブリッド化に関する先行開発がメインとなります。

使い勝手のよさと充実した資料がJMAGの魅力。

みなさまにJMAGについてお話を伺いたいと思います。御社では導入いただいて10年以上経ちますが、利用のきっかけは覚えてらっしゃいますか。

原氏:
最初の導入は2010年と伺っています。当初の用途としてはエンジン部品の熱処理解析が主でして、2015年に「高周波焼入れクランクシャフトの残留応力解析」というタイトルでJMAGユーザー会にて発表しております。モータの解析を本格的に始めたのは2016年頃からで、磁界解析のモジュール(DP)や振動解析のモジュール(DS)等を段階的に導入させていただきました。モータの解析ソフトウェアとしてJMAGを選んだ理由はシンプルで、私が前職でも利用していたのがきっかけです。迷わずJMAGを選ばせていただきました。尚、JMAGの利用歴は、本日のメンバーですと私が13年、木村が5年、阿部、溝田が1年いかないくらいかと思います。

原様はJMAG-Designerの前身であるJMAG-Studioを学生の頃からご存じだったそうですね。

原氏:
そうですね。そういう意味では、大学の頃からなので15年くらいの付き合いになります。JMAG-StudioからJMAG-Designerに移行した最初の頃は、違和感というか慣れないところがあったのですが、一旦JMAG-Designerに慣れてしまったら、元に戻ることはなかなかできないですね。

JMAG-StudioからJMAG-Designerの移行は利用する側の影響も大きかったのですね。JMAG-Designerに慣れてしまったら、元に戻ることはできないといいますと、具体的にはどういったところでしょうか。

原氏:
例えばメッシュ生成に関してです。JMAG-Designerではオートメッシュ機能があるので、パラメータをいくつか設定しただけで想定したメッシュを自動で生成してくれます。一方で、JMAG-Studioですと、解析結果を見ながら目的に合ったメッシュを検討する必要があったかと思います。メッシュ生成に試行錯誤をしていた記憶があります。

メッシュに対するコントロールは圧倒的に進化しましたね。積み上げメッシュのような機能も当時はありませんでしたし、他社のソフトウェアもそこまで搭載しているところは少ないかもしれません。

溝田氏:
構造計算でもオートメッシュを使いましたが、かなり精度のよいメッシュが生成できました。他のソルバーで構造計算を実施した結果と比較してみましたが、そこまで細かい設定をしなくても、JMAGの構造計算で得られた結果はほぼ遜色ありませんでした。少ないオペレーションで精度のよい結果が得られているという印象です。

嬉しいお言葉をありがとうございます。他に、JMAGについて良い点、困っている点などコメントありましたら、お願いします。

原氏:
操作性というところでは使い慣れているせいか、使いにくいなと思ったことはないです。他のメンバーからもお願いします。

木村氏:
まず操作が簡単なことですかね。他の部署の初めて使う人に教える機会があったのですが、使いやすいだけにOJTするのも楽だなと。あとは、多機能であること。色々なことがJMAGだけで完結してできるので、そういった使い勝手のよさというのはかなりのメリットだと思います。
困っている点といいますか、要望に近いことが二点あります。まず材料データベースが古くなってきたかなと感じています。特に磁石についてJMAGのライブラリ上に廃版になっているものがあったり、逆にメーカーのカタログに載っているものがなかったり。少し前まではそんな不便に感じていなかったのですが、今年になってから「あれ?」ということがありました。
もう1つは、JMAG内で作成できる制御回路についてなのですが、ブロック線図で組めるようになっているとありがたいなと感じます。もちろんpythonのコードを自分で書ければ思ったような制御が組めるのですが、それですと少しハードルが高いので…。微分と積分のブロックが付いているだけでも使い勝手が変わると思います。

コメント、ご要望もありがとうございます。材料データベースについてタイミングが少し遅いというご指摘はごもっともです。私たちとしても検証する時間に課題があると認識しておりますので、改めてご意見として社内にあげます。他にはございますか。

阿部氏:
そうですね。私も1年経って少しずつ慣れてきたところです。一般的に解析ソフトウェアは、英語表示のものが当たり前の中で、JMAGのような和製ソフトで日本語が充実しているというのは、結構貴重な存在かなと思います。

溝田氏:
インタフェースも見やすいと思います。各設定がツリー構造になっていて一連のフローが見やすいので、作業の迷いが少ない印象です。

木村様はご利用歴が5年経ちますが、どのように学習していかれましたか、また使い慣れるにつれてどう感じましたか。

木村氏:
最初は原に教わったり、アプリケーションノートを見て自分なりに色々試してみたりしました。チュートリアルもかなり使いやすいと思います。さきほど操作方法を教えたという話をしましたが、その際時間に制限があり予習に充てる時間がありませんでした。ですが、チュートリアルが使いやすかったおかげでスムーズに進めることができました。すごく助かっています。

さきほどの要望の話を聞いても、木村様はだいぶ使いこまれている印象です。普段他のソフトウェアを使われたりはしていますか?

木村氏:
ここ数年はほぼJMAGしか使っていないですね。モータに取組む前は、全然違うソフトですがEMC Studioなどを使っていました。今はほぼ毎日JMAGを使っている状態です。

阿部様はJMAGを使ってみてどのような印象をお持ちでしょうか。

阿部氏:
去年の4月に入社して、7月からJMAGを使っています。良いところですと、アプリケーションノートなどの資料が充実していることが挙げられると思います。セルフラーニングシステムで学習して、解説に書いてある各種解析の設定のポイントをつかむことができました。

モータ開発における振動予測のトップランナーへ

JMAGが様々な用途で使われているとわかりました。具体的にどのような課題解決にJMAGをご活用されているかを教えてください。

原氏:
主にモータ設計時の性能予測に活用していますね。例えば出力。最大トルクの計算や、トルクリプルなどトルクの変動について確認しています。また、熱解析や構造解析のモジュールを利用して、運転中の温度予測や回転子の強度評価等にも活用しています。

JMAGユーザー会2021で振動予測に関する解析事例をご講演いただきましたが、振動に着目されている背景を改めてお聞かせいただけますか。

溝田氏:
講演でもお話させていただきましたが、電動化の波がくるとパワートレインの主体がエンジンからモータに置き換わってくると思います。そうすると、もともとエンジン音でマスキングされていたモータ特有の高周波の独特な音というのが目立つ状況になってくると考えています。既に自動車会社さんも、モータの振動や騒音の低減に取り組まれていると思いますが、理由としては、低振動、低騒音が、製品の付加価値に繋がるためと考えています。ですので、弊社としても、今後の電動化というところを見据えてこの取り組みを始めました。

そうなるとやはり、御社のモータ解析の個性として、振動が少ない、騒音が少ないというのを目標値のひとつとして設定していらっしゃるのですね。

溝田氏:
そうですね。エンジン開発でも、低振動、低騒音は目標の一つとなってくるところです。エンジン開発で培ってきた低振動、低騒音のノウハウや知見がモータ開発に活きてくるところもあると思います。一方で、エンジンとモータは振動が起きるメカニズム、特に起振力のところで大きく異なってきます。モータの起振力は主に電磁力に起因しますが、そうしたところの知見は、まだまだこれからのところがあると考えています。

御社は振動・騒音の課題に取り組まれるまでのリードタイムが短かった印象です。JMAGユーザー会のご講演でも多くのお客様に響いたのではないかと思います。

溝田氏:
ありがとうございます。JMAGユーザー会での解析事例は、あるモータを対象に基礎的なモデルを作ることができたという段階でしかありませんので、今はスタートラインに立ったところかなというところです。実績などはこれから積み上げていくものと思います。

振動・騒音予測に取り組み始めた目的とそのアプローチ方法を教えてください。

溝田氏:
大きな目的は、モータの振動騒音設計のフロントローディング化です。その目的に向かって、弊社で過去に試作したモータを対象として、対象の振動応答を予測できるモデルの構築に取り組み始めました。
モータの振動応答を予測すると申し上げましたが、振動応答を予測するにあたって、起振力と伝達系の2つのモデル化が重要になってきます。JMAGユーザー会で発表させていただいた取り組みでは、起振力のモデルと伝達系のモデルを、弊社とJSOLの三輪さんで役割分担しながら構築しました。
伝達系のモデル化では、私がモータの固有振動数と固有モードを実験的に取得し、JSOLの三輪さんにPSL(Power Simulation License)を用いて最適化計算をしていただきました。対象モータは分割コアを採用しており、これらが断続溶接で結合されていて、正確な剛性を予測するのが難しかったのですが、剛性(構造解析における物性値)を最適化計算で実験値から同定していただきました。
起振力のモデル化では、朴さんにSimulinkでのモータ制御モデルの構築を担当いただきました。また、JMAG-RTを用いたモータのビヘイビアモデル構築を原さんに、Simulinkの制御モデルとJMAG-RTで作成したビヘイビアモデルを連成して得られる電流波形を用いて、JMAGによる電磁界解析を阿部さんに担当いただきました。

チーム一丸となって振動解析に取り組まれていらっしゃるということですね。

溝田氏:
そうですね。私はもともと振動・騒音が専門で、伝達系のモデル化のところは比較的得意なところだったのですが、どうしても電気系のところは知見が少ないところがありました。なので、弱い部分は部署を横断する形で技術的な知見をもらいながら、みんなでモデル構築に取り組んできました。

みなさんで力を合わせたからこそ、短時間で結果を出せたのだと思います。とても素晴らしい環境ですね。

朴氏:
成功とまでは言えないですが、いい結果になったと思います。ソフトウェアがフレキシブルであり、色々なプラットフォームと連携ができるというところが、非常によかったと思います。私自身はJMAGを使ったことはありませんが、JMAG-RTモデルを活用することで様々なアイデアをすぐ試すことができました。その点も非常によかったと思います。JMAGというチーム内の共通言語を持てたことが、チーム一丸となれたきっかけかもしれません。

チームの共通言語としてJMAGをお使いいただけるのは、私たちも嬉しいです。計算と実験の両方で特性を確認されていましたが、実機での検証もチーム全体で関わっていたのでしょうか。

原氏:
実機の計測をする際もチームで協力して正確なデータを取るように心掛けました。モータを運転するところに関しては私や木村、朴が強いところで、振動や固有値の計測に関しては溝田や阿部がスペシャリストですので。
余談ですが、過去にモータの温度予測のモデル構築を行なった時も磁界解析やモータの運転は私、熱流体解析や温度計測は溝田というように、同様の体制で取組みました。検討結果は2019年の電気学会産業応用部門大会で報告しました。(※1)
(※1)出典:【D】電気学会産業応用部門大会講演論文集からの引用
溝田 徹,原 洸,甲野藤 正明「3-47 熱流体解析による永久磁石同期モータの巻線の非定常温度予測に関する検討 」(【D】電気学会産業応用部門大会、2019年)

JMAGユーザー会2021のご講演内の“PSLを利用した構造材料特性の同定”について、工夫されたところ、大変だったところなどをお話いただけますか。

溝田氏:
PSLでの計算は三輪さんにかなりご協力いただきました。最適化を実施するにあたり、制約条件をどのように設定するのかというところがポイントだったと伺っています。適切な制約条件や目的関数を与えないと、結果がずれてしまうことがあるようです。

最適計算を使って材料特性を特定するというのは、同定するための実測値も必要になります。弊社としてもご一緒できて非常によかったです。

溝田氏:
一般的な物性値を用いて計算すると、固有振動数で20%程度ずれているという状況で、最初は計算と実験が全然合いませんでした。そこに関して三輪さんと色々ディスカッションをさせていただいて、ステータコアの物性値にターゲットを絞ってPSLを使った最適化計算をしていただきました。伝達系のモデル化ではこうしたところで大変勉強になりました。

三輪がお手伝いさせていただきましたが、みなさまに知見として蓄積されましたでしょうか。

溝田氏:
はい。モータを対象としたモデル化の勘所が、実体験を通じて蓄積されたので、今後もこうした経験を繰り返しながら、どんどん知識を蓄えていきたいと思います。今回の経験は今後のために必ず役に立つと思っています。

図1:計測の様子

図2:計算方法

図3:振動加速度の計算結果

(図1~図3)出典:JMAGユーザー会講演論文集からの引用
溝田 徹「JMAGによる永久磁石同期モータの振動予測に関する検討事例」(JMAG Users Conference、2021年)

風通しのよいコミュニケーションで社内教育もスムーズに

先程わからないことは協力し合っているということを伺いましたが、JMAGの社内教育はどのようにされているのでしょうか。

原氏:
教育体制の構築はこれからですね。個人が使い始める時には、チュートリアルを使って自己学習をしながら、わからないところを都度質問してもらっています。現状それで成り立っているのは人数がまだ少ないからだと思いますので、今後はチュートリアルに加えて簡単な教育資料なども準備していく必要があると考えています。

原様がとりまとめ役をされているのですね。新たなチャレンジに取り組まれるにあたり、ご苦労されたことなどありましたらお聞かせください。

原氏:
モータの解析環境を立ち上げた時ですかね。まずは、購入したモータを分解調査してモデル化した上で、磁界解析結果と実測がどのくらいの精度で合うのかというのを1年くらいかけて検証しました。当時はまだ人数も少なく社内での経験もなかったので苦労した覚えがあります。検証の結果、ある程度の精度で予測ができそうだということを確認できたので、本格的に導入させていただくことになりました。成田様をはじめ貴社には当時から色々とご指導いただき感謝しております。

状況報告や結果報告など情報共有はどうされていますか。みなさんで定期的に集まって打ち合わせなどをされているのでしょうか。

原氏:
状況に応じて定期的もしくは不定期に集まって打合せを実施しています。例えばモータ設計ですと、磁界解析や検討の結果が出た時点で都度関係するメンバーで集まり情報のやりとりや議論をしながら次のステップに進むようにしています。

木村氏:
そういう意味では、風通しがいい環境だと思います。まだ規模が小さいから成り立っているところはあると思いますが、コミュニケーションは取りやすいです。

電動化が進むとみなさんのチーム規模も大きくなると思います。今後のコミュニケーションについて現時点で考えていることはありますか。

原氏:
コミュニケーションそのものではありませんが、情報のやり取りを円滑にするためにモデルの管理が重要になると思います。ちょうど制御システムを中心に、社内で保有しているモデルを一括管理して開発に活用できるような仕組みを作ろうという流れがありますので、モータに関してもJMAGやJMAG-RTで作成したモデルを上手く組込めればと考えています。

JMAGとともにこれからもチャレンジを続けていく

最後に、今後JMAGで取り組んでみたいことについて教えてください。

溝田氏:
最終的な目的は、低振動・低騒音のモータを設計することにあると思いますので、JMAGユーザー会2021の解析事例で構築したフローを、実際の設計に応用していきたいと考えています。

低振動や低騒音を目的関数とした最適化計算へのチャレンジですね。

溝田氏:
そうですね。構造設計では、とある箇所の振動応答を目的関数として、構造の寸法などを制約の範囲内で追い込んでいくことができたらと思っています。制御についても様々な種類があると伺っているので、制御方法の違いによる振動応答の違いといったところもJMAGのモデル上で確認できるのかなと想像しています。

私たちもJMAGを通して、ぜひ協力させていただきたいと思います。現時点でJMAGへのご要望があればお聞かせください。

木村氏:
例えば、モータの銅損は温度に伴って発熱量自体が増えていきますが、それを適切に再現できる機能が熱解析にあるとありがたいと思います。現状でも、ユーザーサブルーチンを使う方法や磁界解析と連成する方法がありますが、前者はサブルーチンを組むのが煩雑ですし、後者ですと解析時間がかかってしまいます。そこまでの精度は必要としていない時に温度上昇に伴う発熱量の増加を再現できる機能があったらありがたいなと思っています。

ありがとうございます。その他ご要望はございますか。

朴氏:
貴社のWebページにあるライブラリからJMAG-RTモデルをダウンロードしてモータ制御の動作確認等を試すことがあります。その際、必要なパラメータ情報がなく困ることがあります。もう少し詳細なパラメータまで開示していただければありがたいと思います。
また、PLECSでもJMAG-RTモデルが使えるようにして欲しいです。PSIMには対応していると思いますが、PLECSユーザーも多いと思うので、実現していただけたらと思います。

PLECSを使うケースは私たちも聞いておりますので、お話があれば検討したいと思っています。技術資料の閲覧などWEBをご活用いただいているようですが、そちらへのご要望はありますか。

朴氏:
セミナー情報は充実していると思っています。多くはモータ設計者向けかと思いますので、今後モータ制御側の視点に立ったセミナーがあれば、是非参加してみたいと思います。

溝田氏:
アプリケーションノートで勉強することが多いので、私もセミナーを受けてみたいです。

みなさまがお好きな時間に簡単に自由に閲覧できるように、今はオンデマンドセミナーのご用意も充実しています。是非ご利用ください。その他にも企画セミナーなど、その都度メルマガでもご案内しているものもありますので、チェックしてみてください。
今まさに波に乗り、新しいチャレンジに取り組まれ始めた皆さまにお話しを伺う大変貴重な機会となりました。本日はありがとうございました。

お話を伺った方

原 洸氏
技術本部 
パワートレインセンター 
第3技術グループ
原 洸氏
木村 勇登氏
技術本部 
パワートレインセンター 
第3技術グループ
木村 勇登氏
朴 青云氏
技術本部 
パワートレインセンター 
第3技術グループ
朴 青云氏
阿部 倫大氏
技術本部 中央研究所
基盤技術研究センター
ダイナミクスグループ
阿部 倫大氏
溝田 徹氏
技術本部 中央研究所
基盤技術研究センター
ダイナミクスグループ
溝田 徹氏
ヤンマーホールディングス株式会社
会社名:
ヤンマーホールディングス株式会社
創業日:
1912年(明治45年3月)
本社所在地:
〒530-0013 大阪市北区茶屋町1-32
中央研究所:
〒521-8511 米原市梅ヶ原2481番地
代表者:
代表取締役社長 山岡 健人
従業員数:
20,744名(連結)※2021年3月31現在

事業内容:

  1. 農業機械・農業施設(トラクタ、コンバイン、田植機、管理機ほか)
  2. 建設機械(ミニショベル、ポータブル発電機、投光機)
  3. エネルギーシステム(マイクロコージェネ、ガスヒートポンプほか)
  4. 小形エンジン(産業用小形ディーゼルエンジンほか)
  5. 大形エンジン(船舶発電用/推進用ディーゼルエンジンほか)
  6. マリン(中小形マリンディーゼルエンジン、プレジャーボートほか)
  7. コンポーネント(油圧機器、トランスミッションほか)

などの研究・開発、製造、販売

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