203 – 電力用変圧器の無負荷試験解析

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アプリケーションノート・モデルデータ

概要

大型の電力用変圧器は、産業インフラを支える機器として高い安全性が求められますが、大型ゆえに実際の負荷を接続した試験は不可能です。このため、無負荷試験、短絡試験など特殊な回路構成で試験を行います。
無負荷試験は、2次側を開放した無負荷状態で1次側に定格電圧を加えて行う試験です。無負荷試験では、1次側のみに電流が流れますが、この電流は鉄心の励磁と鉄損をもたらします。
三脚構造を持つ鉄心の場合、各相の磁気回路は完全に等価ではないため、不平衡電流が発生します。また鉄心には異方性電磁鋼板を使用することから、脚とヨークの接合部には、鉄損の集中が発生します。
ここでは、JMAGで無負荷試験の解析を行う場合のモデル化とそこから得られる鉄損分布、電流、励磁コンダクタンス、励磁サセプタンスを求めています。

渦電流損失密度分布、ヒステリシス損失密度分布

コアの磁束密度分布を図1に、鉄損密度分布を図2に、中央脚の中心軸における鉄損密度波形を図3に示します。方向性電磁鋼板を使用しているため、脚とヨークの接合部で磁束の曲がりにより困難軸の影響が生じます。特に中央脚の接続部分では、磁束密度と鉄損密度の集中が見られます。またコアの深部に至るほど鉄損密度が集中している領域が広がっており、図3から、ピーク値では平均値の1.6倍の大きさを示しています。鉄心内部の発熱と周囲の巻線や絶縁材への影響を考慮した設計が必要であることがわかります。

鉄損電流、磁化電流

鉄損電流、磁化電流の実効値を表1に示します。三脚鉄心では、左右と中央脚では磁気回路上で等価ではないため、三相間で不平衡電流が発生します。表1では三相に通電される電流の平均値を採っています。

励磁コンダクタンス、励磁サセプタンス

励磁コンダクタンス、励磁サセプタンスを表2に、変圧器のT字型等価回路図を図4に示します。無負荷試験では、図4に示す等価回路のうち、破線部の回路定数が求まります。1次側巻線抵抗と1次側漏れリアクタンスによる電圧降下は十分小さいとしてV=V’を仮定しています。

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