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お問い合わせやWEBでよく閲覧されている解析事例を定期的に紹介しています。


32 – トランスの出力特性解析

概要

トランスは電磁誘導を利用して、交流電力の電圧を変換する電気部品です。2次電圧は負荷によらず一定であることが望まれますが、実際は負荷の大きさと力率により変動します。定電圧受電という点から、電圧変動の大小はトランスの重要な出力特性の一つです。また、各相の電圧・電流が非平衡になると、トランスの温度上昇や使用機器への障害を招く危険性があるため、平衡状態が保たれる必要があります。

トランスの出力特性は鉄心からの漏れ磁束に左右されます。漏れ磁束は鉄心ではなく空気中を通るため、設計時に正確に予測することが困難です。磁界解析では空気中の磁束の通過を扱うことが出来ますので、漏れ磁束の影響を含めてトランスの出力特性を評価することが出来ます。
本日は、JMAGで低周波トランスの負荷変動による2次電圧の変化を求めた事例をご紹介します。

負荷に対する2次電圧

負荷に対する2次電圧の変化を図1に示します。本解析で用いたトランスは、理想状態での2次電圧は14.1(V)です。負荷抵抗を減少させていくと、2次電流が増加します。それに伴い、2次コイルの抵抗と漏れリアクタンスによる電圧降下が増加するため、2次電圧が低下します。

2次コイルの誘起電圧

表1に2次コイルの誘起電圧振幅と位相を示します。図2は、負荷抵抗が大きい場合と小さい場合の、2次コイルの誘起電圧をベクトル図で示しています。振幅はベクトルの長さ、位相はベクトルの傾きとなります。
負荷抵抗が大きい場合は振幅がほぼ等しく120(deg)の位相差が保たれているため、平衡状態であることがわかります。それに対し、負荷抵抗が小さい場合は各相で振幅に差があり、位相差が120(deg)になっていないことから非平衡であることが確認できます。

※図はWEBサイトでご覧ください。

磁束密度-実効値分布

負荷抵抗が大きい場合と小さい場合の、磁束密度-実効値分布を図3に示します。負荷抵抗が大きい場合は磁束密度がほぼ対称に分布するのに対し、負荷抵抗が小さい場合は各相の電流が非平衡であるため、磁束密度が非対称になっています。

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