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[JAC204] リッツ線を用いたスイッチングトランスの銅損解析

概要

フライバックコンバータは、スイッチング電源を実現する小電力向けの電源回路として幅広く使用されています。部品点数が少なく簡単な構造のため、製造時のコストを抑えた電源回路を実現することができます。
電源回路は運用時のコストを抑えた設計も必要になりますが、小型化が進むにつれて、スイッチング周波数の高周波化も進んでおり、巻線の発熱が問題になってきます。耐圧を上げるため、コアにギャップを設けることがありますが、ギャップ付近の磁束フリンジングにより、巻線には近接効果による局所発熱が生じます。局所発熱は電力の変換効率を落とすだけでなく、巻線の絶縁膜の劣化を招くため、できる限り抑える必要があります。

リッツ線は、一本の線を複数の細線に分けてエナメル被膜を塗布して撚り構造を持たせた銅線の束です。一本の線を細線に分けることで、表皮効果による電流の偏りを抑えます。さらに束線に撚り構造を持たせることで電流の均流化を促進し、局所的な発熱を抑える効果が期待できます。
ここでは、PQコアから構成される小型のスイッチングトランスに発生する銅損について、巻線の撚り構造の有無が銅損に与える影響を確認します。

電流波形、銅損波形

撚り線の有無による1次、2次電流波形を図1に、1次銅損波形を図2に示します。図1から、0.0006(sec)以降でほぼ定常状態に達しており、撚りの有無にかかわらずほぼ同一の時間応答をしていることがわかります。また、図2から、巻線の銅損の平均値は1次巻線において、撚りなしに比べ撚りありが26(%)程度減少していることが確認できます。撚りの効果による巻線内の局所的な鎖交磁束が低減したため、この時間変化により引き起こされる渦電流の局所的な偏りが解消されたと考えられます。

熱減磁情報を持つ着磁材料、誘起電圧波形、熱減磁によるトルクの変化、減磁率分布についてはWEBページをご覧ください。

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